バイクに乗らない人でも“ハーレーダビッドソン”という名前だけは知っているという人も多いのではないでしょうか。1903年に創業された老舗のオートバイメーカーと言えるハーレーダビッドソンは、アメリカの2大オートバイメーカーとして挙げられるほど世界中にファンが多いメーカーとして有名です。何といっても大型のクルーザー型オートバイを得意としており、日本市場においても750cc以上の大型二輪車では高いシェアを誇っています。
一方でその排気量の大きさから大型自動二輪免許を取得しなければ運転することができないことや大きな車体を扱うことの難しさから、バイク乗りにとっても憧れの存在でもあります。男性はもちろんのこと女性にとっては運転そのものが難しいというイメージがついてまわっている中で、近年では女性のハーレーダビッドソン乗りも増えていることをご存知でしょうか。家族やパートナー、友人の影響で乗り始めるという理由はもちろんのこと、最近ではYouTubeやインスタグラムなどでハーレーダビッドソンに乗っている女性芸能人に憧れて乗り始めたという女性も増えているのです。
とはいえ、ハーレーダビッドソンに乗るために必要なことや気になることも多いのではないでしょうか。そこで、今回は女性がハーレーダビッドソンに乗る上での疑問点を大きく3つに分けて紹介し、解決していきたいと思います。
女性でも簡単にハーレーダビッドソンに乗れる?
何よりもハーレーダビッドソンに乗る上で気になるのは、その車体の大きさです。とくにハーレーダビッドソンは750cc以上の大排気量モデルを中心としてラインナップしているため、乗るためには大型自動二輪免許の取得が必須と言えます。では、女性でもいきなり大型自動二輪免許を取得することは簡単なのでしょうか?結論からいえば、大型自動二輪免許の取得は男女関係なく比較的簡単に取得できると言えます。
なぜなら、女性にとってネックとなりうる重く大きな車体の扱いはテクニックでカバーすることが可能であり、教習所に通う上でそれらの技術も取得することができるからです。ハーレーダビッドソンに憧れる女性の多くが懸念するであろう車体の扱い、とくに日常的な運搬や車体の引き起こしについてはコツを掴むことで解決できます。そして、そのテクニックは大型自動二輪免許を取得する際に教習所で学ぶことができる上に、大型自動二輪免許の教習所にはハーレーダビッドソンが採用されていることも多いのです。つまり、教習所の段階で大きな車体を扱うテクニックを取得することができる上に、教習所によってはハーレーダビッドソンで教習を受けることも可能なため、必要以上に心配することはありません。
では、“足つき”についてはどうでしょうか?バイクに跨ったときに足が地面につく具合を“足つき”と呼びますが、これは男女関係なく身長の低い人にとっては悩みの種でもあります。とくに、男性と比較して平均身長が低い女性にとっては“足つき”で悩む人も多いのではないでしょうか。これについては、ハーレーダビッドソンならシート高が低いモデルがラインナップされていること、そしてシートが高いモデルでもローダウン仕様へカスタムをするという解決方法も存在します。もちろん、多少の“足つき”の悪さをテクニックでカバーして乗っている女性も多くいるので、一概に身長が低いからといって諦める必要はありません。まずは、周りのバイク仲間や教習所などで相談してみるのも良い方法でしょう。
女性にも選びやすいモデルもラインナップ
ハーレーダビッドソンというと「ハーレーダビッドソン・ソフテイル」や「ハーレーダビッドソン・ツーリング」など大排気量かつ大型のモデルを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。たしかに、ハーレーダビッドソンの歴史の中ではロングツーリングに対応している前述したモデルが目立ってしまいますが、現行の車種だけでも8種類もラインナップされています。とくに人気の高いモデルは「ハーレーダビッドソン・スポーツスター」と言われるもので、883ccと1202ccの2タイプが用意されています。
このモデルに人気が集まる最大の理由は、ハーレーダビッドソンの全モデルの中でも標準的な位置づけにあるだけでなく車両重量が軽くシート高も低く設定されているからです。前述したように教習所でもハーレーダビッドソンを採用しているところは少なくなく、その多くで「ハーレーダビッドソン・スポーツスター」が使われていることも女性におすすめできる理由の1つでもあります。
また、シート高の低さや車両重量という点においては「ハーレーダビッドソン・ストリート」もおすすめの一台です。これはハーレーダビッドソンの中でも新しく追加されたモデルであり、2014年に販売されてからは取り回しの良さから前述した「ハーレーダビッドソン・スポーツスター」を上回る勢いで人気が高まっています。コンセプトは“都市の中を俊敏に走り回ることのできるハーレーダビッドソン”ということもあり、スポーツスターよりも車両重量は約30kg軽くなっているだけでなく外観もカフェレーサータイプに近いデザインです。シート高や車両重量だけでなくエンジントルクも59N・mとハーレーダビッドソンの中では扱いやすいよう抑えられているため、ハーレーダビッドソンを購入したい女性にもオススメできるモデルと言えます。
このように、ハーレーダビッドソンは男性に向けたモデルしかラインナップしていないということはなく、むしろ積極的に女性のハーレーダビッドソン乗りを増やそうというメーカーの意気込みが前述した2モデルにも表れているのではないでしょうか。もちろん、これらのモデルはオフィシャルショップでカスタマイズしたものを購入することが可能なため、シートを薄いものに取り換えたりボディの色を可愛くしたりと、こだわりたい女性にもピッタリな一台を手に入れることができるのです。
女性の結束力も強いハーレーダビッドソン
日常的にバイクに乗る上でツーリング仲間や、気軽にバイクについて色々と話すことのできる相手がいることは長くバイクを楽しむ上でも重要なポイントです。とくに、ハーレーダビッドソンに乗っている女性は男性と比べると少ないために、周りに同性がいないと寂しいのでは?と考える女性も少なくないと思います。しかし、冒頭で述べたように近年では女性人口も増加していることに加えて、ハーレーダビッドソン乗り特有の仲間意識の強さから、各地でレディースツーリングを開催している団体も多く存在します。また、ツーリングに参加するのは苦手という女性でもSNSやツーリング以外のイベントに参加することで、同じ女性のハーレーダビッドソン乗り仲間をつくっている人も多くいます。
このように、女性のコミュニティというものを活かすことで、ハーレーダビッドソンに乗り続けようと思う原動力にもなりますし、何よりもハーレーダビッドソンに乗る楽しみというものを共有することのできる仲間がいることは心強いものです。ハーレーダビッドソンは憧れだけどハードルが高いな…と悩んでいる女性がいらしたら、ぜひとも今回紹介したことを参考にして挑戦してみてください。ハーレーダビッドソンだからこそ楽しめる景色や新たな仲間との思い出、そして何よりも憧れの車体に乗っているということが経験値になるはずです。ぜひ、女性のみなさんもハーレーダビッドソンのある生活を満喫してくださいね。