東京モーターショー2019 BMWが魅せた”未来へのビジョン”

毎年多くの来場者で賑わう東京モーターショーは、1954年に始まり、今年で46回目の開催を迎えました。とくに今年は、12日間の開催で約130万人もの方々が来場したことで、12年ぶりに来場者数100万人越えという記録的な盛況ぶりを見せました。この成功の裏には定番とも言えるコンセプトカーやスーパーカーの展示のみならず、ドローンやキャンピングカー、そしてeスポーツイベントなど例年と比較してもエンタメ色の強い内容へと舵を切ったことが1つの要因として挙げられるでしょう。

そのような状況の中、今年の東京モーターショーはもう1つ例年とは異なることがありました。それは、BMWを含めた海外メーカーのほとんどが出展しなかったことです。今回の東京モーターショーへ出展をした海外メーカーは、ルノー、メルセデス・ベンツ、スマート、アルピナとわずか4社(アルピナはカーチューナーなので、実質3メーカー)しか出展していません。

なぜBMWは出展しなかったのか?

東京モーターショーと言えば、フランクフルト、デトロイト、パリ、ジュネーヴとあわせて世界5大モーターショーと呼ばれるほど影響力のあるものでした。しかしながら、リーマンショック以降は5大モーターショーすべてに出展することを敬遠するメーカーが多くなっており、東京モーターショーへの出展を取りやめる海外メーカーも年々増加傾向にあります。では、なぜBMWは東京モーターショーへ出展しなかったのでしょうか?そもそもモーターショーの意義として新型車やコンセプトカーを展示するだけでなく、ショー形式で多くの来場者を楽しませることでクルマの普及などを目指すことが趣旨としてあります。

ただ、近年ではクルマを運転するということが日常的になっており、クルマの普及を促進し売り上げを伸ばすことは難しいため、自動運転や環境性能などに力をいれた展示へとシフトすることで自社のブランディングを推し進める展示が多くなっていました。そのため、各メーカーともに世界中で開催されるモーターショーすべてに出展するメリットが少なくなってきており、コストパフォーマンスを考慮した上で自国に一番近くて大きなモーターショーだけに出展することが多くなってきているのです。しかし、日本市場で高い人気を誇るBMWもライバルメーカーが出展しているなかでただ静観しているわけではなく、なんと自社のイベントを東京モーターショー開催期間中に行っていたのです。

未来を“見る”から“体験する”へ

画像引用:https://bmw-japan.jp

前述したように海外メーカーを中心として、モーターショーへ出展した際のコストパフォーマンスの低下はもちろん、ただ見るだけの展示方法では多くのユーザーへの理解を深めることが難しくなってきていると考えられています。

これまでのモーターショーと言えば、プレゼンテーションやコンセプトカーの展示によって、多くの人に最先端技術を使ったクルマの未来を想像させるものが一般的でした。しかしながら、すでに多くのメーカーで半自動運転と言える技術が市販車にも搭載されるようになってきており、ここ数年でレベル4以上の自動運転技術をいち早く市販車へと搭載することが課題となるなど、最先端技術は現実の話として普及が急速に進んでいます。その中でも、BMWは2019年夏以降に販売されたモデルに日本初となる”高速道路渋滞時ハンズ・オフ・システム”を搭載することに成功しています。

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これはレベル3にあたる自動運転技術で、特定の条件下でのみ運転を自動で行えるというものです。ただ、このような最先端技術というものはモーターショーのような形式。つまり、目で見るだけの展示ではユーザーに機能性や利便性を十分に理解してもらうことが難しいものです。そのため、今回の東京モーターショーに出展しなかったように、BMWは最先端の技術を説明し披露することよりも多くの販売店やイベントなどで実際に試乗してもらい体験してもらうことを重要視したのです。

BMWが示した次世代モーターショーの在り方

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冒頭で述べたように、東京モーターショーを始めとした5大モーターショーの人気は高い一方で、各メーカーの経営戦略やコストパフォーマンスを考慮すると出展することが最善とは言えない現状があります。そして、その状況に対して新たな答えを出したのがBMWであり、新たなモーターショーの在り方のヒントを示しています。つまり、大規模なモーターショーでコンセプトカーを使ったブランディングや技術力を示す、いわゆる“見るだけの展示”から“実際に最先端の技術を肌で体感すること”へと変化していく必要性をBMWは見出し始めているのです。

とくに、今回の東京モーターショーがエンターテインメント性を高めるという方向へと転換し出したように、これまでのモーターショーで展示してきた“未来”というものは、最先端の技術として販売されている市販車へと組み込まれているものも多く、実際に体感して普及させるフェーズへと突入しているということを多くのメーカーが共通意識として持ち始めている段階にあると言えます。

そのため、現在のモーターショーと同じ形ではないかもしれませんが、BMWのように多くのユーザーに体験させることを目的とした形はもちろん、想像もできない新しい形で私たちを楽しませてくれるような次世代のモーターショーが期待されていると言えるでしょう。

未来と過去をつなぐ BMWのこれから

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東京モーターショーに出展しなかったBMWはユーザーエクスペリエンスを重要視した姿勢で、新たな可能性と未来の在り方を多くの人へ伝えようとしています。それは、どの国内メーカーよりも先んじて“高速道路渋滞時ハンズ・オフ・システム”を市販車に搭載するだけでなく、実装できていない技術も積極的にイベントなどで公開する積極的な姿勢に如実に表れています。

一方で、最先端の技術だけをフィーチャーするのではなく、本国の博物館やホームページ上などで過去の名車や歴史を紹介することで、BMWが積み上げてきた歴史と技術力も大切にしていることが分かります。つまり、最先端の技術と過去のヘリテージの両方をリスペクトすることが、今回の東京モーターショー不参加を決定したような先見性につながってくるのです。

例えば、5年前に「BMW i3」を世の中に送り出したときには、その斬新なデザイン性と従来の電気自動車のスペックを超えた性能に「日本カー・オブ・ザ・イヤー」のイノベーション部門賞を受賞。3年前には「BMW M2」がエモーショナル部門賞、昨年も「BMW X2」がエモーショナル部門賞を受賞するなど、その先見性は十分にクルマづくりに反映され評価されていることが分かります。

そして、「2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤー」においても「BMW 3シリーズ セダン」が10ベスト・カーに選出されています。このことで、10年連続の10ベスト・カー選出となるなど、自動車業界においてBMWは時代の潮流を読むことのできる旗手のような存在と言えるでしょう。

そのようなBMWが描く“これからの未来”は、どのようなものになるのでしょうか?公式ホームページでも多くの最先端技術が紹介される中で、自動運転についてはとくに詳細に書かれていることからも、まずはユーザーに直接メリットを与えてくれるようなクルマづくりが試されているようです。そして何よりも、どのような時代になったとしても、常に最先端技術を取り入れようとする企業であることをBMWオーナーは求めています。ぜひ、みなさんもBMWが提示する新しい未来を体験し、BMWオーナーとして新しい未来を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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