販売が待ち遠しい「BMW2シリーズグランクーペ」をプロトタイプから大胆予想

BMW2シリーズで初となる“グランクーペ”が最終テストを迎えている様子が公開され、その全貌に注目が集まっています。先日までに公開されていたのはサーキットや街中を走るプロトタイプの写真が主であり、大まかなボディデザインは掴めても詳細まではハッキリとしない部分がほとんどでした。しかし、今回は公式ホームページで独特のカモフラージュをまとった車体が紹介され、新車種ならではの特徴も併せて掲載されています。販売時期は2020年春とアナウンスがされていますが、2019年11月に開催される“ロサンゼルス・オートショー”において公の場では初となる「2シリーズグランクーペ」が公開される予定となっています。今回はいま話題の「2シリーズグランクーペ」をプロトタイプの姿から、その販売スペックなどを予想してみたいと思います。

“グラン”の名前は洗練された証

クルマの名前は覚えやすいことも大切とされており、日本でもモデルの特色や伝統的な名前から採用するケースが多くあります。とくに海外メーカーは伝統的に踏襲している名前を冠することが多く、BMWも例外ではありません。例えば、多くの人がBMWと言えば「3シリーズ、5シリーズ、7シリーズ」という3モデルを挙げることができると思います。なぜなら、この3モデルはBMWが乗用車の販売を始めた頃から採用されており、日本でもナンバリングの数字が大きくなるほど上位モデルであるという認識が浸透しています。

一方で、現在のラインナップを見てみると1〜8シリーズまで細分化されており、番外のXシリーズも販売されているなど一見すると違いが分からないという人も多いのではないでしょうか。そこで、BMWは各シリーズの中にもタイプ別の名前をつけることとなりました。それこそが、「クーペ、コンバーチブル、アクティブツアラー、グランツアラー」とシリーズ名の後に続く名前であり、各シリーズによっては数も増減しています。このように細分化される中でも、今回の「2シリーズグランクーペ」は2シリーズに追加される新モデルという位置づけに当たります。

従来の2シリーズには、「セダン、クーペ、コンバーチブル、アクティブツアラー、グランツアラー」がラインナップされており、“グランクーペ”というモデルは存在していません。“グラン”というモデルは、4シリーズと6シリーズで用意されているものでした。なぜなら、4シリーズと6シリーズはクーペタイプにカテゴライズされており、2ドアタイプのクーペをメインに、4ドアタイプのクーペを“グランクーペ”として売り出したからです。そのため、いわゆるクーペタイプというよりは5ドアハッチバックタイプになっており、セダンタイプともクーペタイプとも異なる独自の高級感のあるスタイルとクーペらしいクールな印象を与える洗練されたモデルとして、世代を問わずに高い人気があります。

先進技術が多く採用される初のモデルに

画像引用:https://www.bmw.co.jp

前述したように多くのモデルがラインナップされている中、2シリーズは比較的新しくナンバリングされたモデルでもあります。そのルーツは1シリーズのクーペタイプにあり、それを2シリーズとして独立させたものになります。そのため、人によっては4シリーズや6シリーズと比較するとポテンシャルが低いのではないかという危惧感があるかもしれません。しかし、基本的な設計はしっかりしており、デザイン性が劣ることはありません。そして、それを最も体現するのが今回紹介する「2シリーズ グランクーペ」なのです。

BMWの全ラインナップのなかでコンパクトサイズに分類される2シリーズですが、グランクーペを冠するということで見た目以上のスペックを秘めています。
2020年春の販売を目標とする中で最も強調されているのが“ドライビング・アシスト・システム”と“コミュニケーション・システム”の融合です。最近のBMWのスタンスとしては走りの心地良さは追求する一方で、環境性能やドライバーとの一体感というものにも強いこだわりをもっています。とくに、AIテクノロジーの発達にともない自動運転や“クルマとの会話(AIを介した操作)”というものを取り入れている欧州各メーカーの中でも、いち早く導入が進んでいるメーカーとしてもBMWは評価されています。

そして、競争が激化する中で2020年春に投入する「2シリーズグランクーペ」には、これまで以上に先進的な機能が備わっていると予想されています。中でも、ドライバーが直接的に操作できない部分には従来以上に細やかな電子制御システムが導入される見込みです。

技術の粋を集めた走り

画像引用:https://www.bmw.co.jp

「2シリーズグランクーペ」には最新のサスペンションセットアップが用意されており、前述した“ドライビング・アシスト・システム”との連携により柔軟な走りを楽しむことが可能になっています。そのベースとなっているのが1シリーズから導入された“FF方式“とSUV開発で得た“xDrive”です。

BMWと言えばFR(後輪駆動)にこだわりをもって設計されてきましたが、近年のFF(前輪駆動)の勢いもあり「2シリーズグランクーペ」はFF駆動方式が採用される見込みです。これに加えて、路面コンディションを逐一読み取って柔軟に足回りをサポートするxDrive機能も搭載されることになっており、2つの駆動方式を持ち合わせた柔軟かつ俊敏な走りを見せてくれることになりそうです。

また、「BMW i3s」から装着されている“ARB(actuator contiguous wheel slip limitation)”も採用されることになっています。これは、雨や雪などの滑りやすい路面を走行する際にスリップを抑えるためのトラクション(牽引力、この場合はスリップを抑えるために地面へと駆動力が伝わること)を発生させる最新技術で、制御速度は従来の3倍以上かつ体感レスポンスは10倍以上にまで跳ね上がると言われています。

BMW史上最もパワフルなエンジンを搭載

電子制御が発達する一方で、お家芸とも言える肝煎りのエンジン回りも圧倒的な進化を遂げています。「2シリーズグランクーペ」のフラグシップモデルとなる「M235i xDrive」では、最高出力225kW(306PS)という高出力の直列4気筒エンジンが搭載されます。これは、BMWが開発してきた4気筒エンジン史上において最もパワフルなものであると発表されており、前述してきた高い電子制御技術と組み合わさることで最高のパフォーマンスを発揮することが期待されます。一方で環境性能にも配慮しており、ツインパワーターボ技術が使用されている高出力エンジンなのに、燃費14.9km/lかつCO2排出量153g/kmという水準を達成しています。

「2シリーズグランクーペ」は試金石ともいえる一台に

画像引用:https://www.bmw.co.jp

今回公表された情報をもとに考えると、「2シリーズグランクーペ」の価格帯は従来の2シリーズよりも上がると考えられます。2シリーズは全ラインナップでも手の届く価格帯が魅力の1つでしたが、日本市場におけるコンパクトな車体のニーズに合致する2シリーズは単なる6シリーズのコンパクトモデルとなる選択肢をBMWは捨てたと言えます。その代わりに、2シリーズの価値を最大限に高めるために「2シリーズグランクーペ」を導入することで今後販売予定であるモデルは大きく左右されるなど、まさに試金石ともよべる一台になります。

FR方式を採用した高出力エンジンと先端の電子制御技術、まさに未来のBMWを背負っているのが今回の「2シリーズグランクーペ」です。販売予定は2020年春ということで、みなさんも色々な情報をもとに年内のロサンゼルス・モーターショーを楽しみにしてみてはいかがでしょうか。そして、もし「2シリーズグランクーペ」プロトタイプカーの写真や現物を見かけることがあったら、そのサイドボディに塗装されているQRコードを読み込んでみてください。「2シリーズグランクーペ」の海外リリースインフォメーションを見ることができ、より年内の発表が待ち遠しくなることでしょう。

同サイトの日本語版も公開されています

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