最高クラス「5スター」の安全評価!「MINI カントリーマン」の充実した安全性能について

欧州には「ユーロ NCAP」という公的な評価基準があり、市販車を対象に数種の衝突テストを実施することで乗員保護・歩行者保護・安全支援システムを評価しています。このユーロNCAPの総合安全評価において、「MINI カントリーマン」は2017年に最高クラスの5スターを獲得しました。MINIのコンパクトボディに秘められた安全機能とは、一体どういったものなのでしょうか。

事故を未然に防ぐ「アクティブセーフティー」


自動車工学(機械工学)において、事故に対する2つの重要な考え方があります。1つ目は事故を未然に防ぐための「アクティブセーフティー」。2つ目は事故による二次被害を最小に留める「パッシブセーフティー」です。まずは順を追って、アクティブセーフティーに該当する機能を見ていきましょう。MINIでは事故を未然に防ぐ手段として、以下のような6つの機能を装備しています。

  • ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)
  • ドライビング・アシスト
  • アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)
  • アダプティブLEDヘッドライト
  • MINIヘッド・アップ・ディスプレイ
  • アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)
  • アダプティブLEDヘッドライト

ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)

「DSC」は車体に取り付けられた各種インテリジェントセンサーによって、走行中の挙動の乱れを自動でコントロールする機能です。インテリジェントセンサーが車体のスリップ(空転)やスライド(横滑り)などの兆候を察知すると、エンジン出力や各車輪のブレーキを即座に自動調節し、挙動の乱れを防ぎます。雨や雪の降るシーンでは挙動が乱れやすくなりますが、DSCの機能によって、こういった路面状況でもMINIならではの小気味いいドライビングを楽しむことができます。

ドライビング・アシスト


MINIの現行モデルは車体前後にカメラを標準装備しています。車両前部のカメラは前方車両との距離を常に測定しており、衝突の危機を察知すると接近警告機能によって警告を発します。警告と同時にブレーキフルード(オイル)の圧力を調節し、普段よりブレーキが利きやすくなるよう働きかけるので、咄嗟の事態でも安心です。万が一の際はオートブレーキ機能が作動するようになっており、3段階のブレーキ機能によってドライバーを支援します。

アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)

「ACC」は車両速度を自動的に維持する機能です。あらかじめ希望速度を設定しておくことで車両速度を自動でコントロールし、前方車両が遅い場合は許容される範囲で速度を変更します。ドライバーの疲労軽減や燃費改善に効果を発揮するので、ロングドライブなどで重宝する機能と言えるでしょう。集中力低下は事故要因の1つと言えるため、事故防止に大いに貢献します。

MINIヘッド・アップ・ディスプレイ

走行中は速度やナビゲーションといった情報を逐一チェックする必要がありますが、この一瞬の不注意で事故に遭ってしまうことも少なくありません。「MINI ヘッド・アップ・ディスプレイ」はこれを防止するための機能です。メーターフードの上に設置された透明なヘッド・アップ・ディスプレイによって、前方視界をさえぎることなく、かつ見やすい位置に速度情報などを表示するので、目線を変えずに知りたい情報をチェックすることが可能となります。

アンチロック・ブレーキング・システム(ABS)

安全機能の代表格とも言える「ABS」は、急ブレーキ時や凍結路でのタイヤロックを防ぐ機能です。タイヤの動きが完全にロックしてしまうと慣性によってそのまま直進(操舵不能)してしまい、重大な事故に遭う危険があります。これを回避するために緊急時のタイヤロックを防ぎ、ハンドル操作によって障害物の回避を可能にします。

アダプティブ LED ヘッドライト


MINIに搭載される「アダプティブLEDヘッドライト」は進行状況に応じてヘッドライトの照射方向を自動調節し、視界を常に最適に保つ機能です。ハンドル操作や車両速度に合わせてライトの向きを自動で調節するので、急なコーナーでもドライバーの目線を的確に照らし出すことができます。それだけでなく、積載重量などを元にして路面に対する角度も自動調節するので、道路の勾配や障害物にいち早く察知することが可能。夜間の峠道を想像していただければ、この機能のもたらす安心感が良く分かるかと思います。

事故の被害を最小限に留める「パッシブセーフティー」


続いて、事故の被害を最小限に留めるパッシブセーフティーに該当する、以下の6つの安全機能について見ていきましょう。上にある動画は冒頭でお話したユーロ NCAPの試験映像(MINI カントリーマン 2017年)ですが、こちらのデータを元にしつつ解説していきます。

  • 高速エアバッグ
  • 高剛性シャーシ
  • クラッシュセンサーシステム
  • MINI SOSコール
  • MINIチャイルド・シート
  • ランフラット・タイヤ

高速エアバッグ

MINIの車内には最大8個のエアバッグを搭載しています。センサーが重大な衝突を検知するとシートベルトの着用状況や衝撃のパワーといった情報から、エアバッグを最適な速度で展開します。これらのエアバッグはすぐには収縮せず、衝突後しばらく開き続けるので、後方より迫る二次衝突からも乗員の身を守ることが可能です。この高性能なエアバッグにより「MINI カントリーマン」は、フロントシート乗員の保護性能を評価した「大人の居住性」という項目において、90%という優れた評価が与えられています。

高剛性シャーシ


前述の通り、「MINI カントリーマン」はユーロ NCAPにおいて優れた衝突安全性が認められました。ほかにも、アメリカの道路安全保険協会であるIIHS(Insurance Institute for Highway Safety)の衝突試験においてMINI クーパーが「2018 TOP SAFETY PCIKS」を受賞し、安全性能が高く評価されています。このようにレトロチックでコンパクトな外観とは裏腹に、MINIのボディは高い剛性を有しているのです。強いだけでなく変形しやすい素材を部分的に採用しているので、ボディが衝撃を吸収することで乗員や歩行者の被害を軽減します。

※ BMWの衝突安全性については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
https://lepio-magazine.com/all/safety/

クラッシュセンサーシステム

MINIの「クラッシュセンサーシステム」は、重大な衝突を検知した際に複数の安全装置を作動する機能です。まずは衝突後スムーズに避難できるよう、即座にすべてのドアロックを解除。同時にハザードランプを作動させて他車への注意を促し、夜間における二次衝突を防止します。上のユーロ NCAPの試験動画を見ると衝突後にハザードランプが作動していますが、これがクラッシュセンサーシステムの働きというわけです。さらにこの時、燃料ポンプは自動で遮断されており、ガソリン漏れによる火災も防止しています。

MINI SOSコール

衝突が起きた場合、クラッシュセンサーシステムに続いて「MINI SOSコール」も作動します。名前から察する通り、これは重大な事故を検知した際に自動的にコールセンターへ接続する機能です。コールセンターへの音声案内とともに位置情報や事故状況も発信するので、万が一ドライバーが意識不明に陥っても的確に対処することができます。

MINI チャイルド・シート


MINIでは純正アクセサリーの1つとして、チャイルドシートが販売されています。こちらの動画に登場するのはBMW製のモデルですが、同グループで共通のものを販売しているため内容としてはMINI製のものも同じです。実はこのチャイルドシート、乳幼児安全用具の欧州安全基準認証(ECE R44/04)を取得しており、世界でも高く評価されている代物です。BMWの特許技術によって、事故の衝撃からお子さんの体をしっかり保護します。

ランフラット・タイヤ

MINIではオプションで「ランフラット・タイヤ」という特殊なタイヤを装備することが可能です。パンクしても形状を保ち続け、最高で80km/hの速度まで耐えることができるので、事故の程度によっては自走を可能にします。最大航続距離は80kmなので、高速道路でも次のインターチェンジまでは耐えられる設計になっています。事故に遭ってしまった際はその後の安全確保が急務となりますが、ランフラット・タイヤを装備してれば一安心です。

「良い意味」で外観を裏切る、MINIの優れた安全性能

画像引用:https://www.mini.jp/

「安全そうなクルマ」と言うと、トヨタ「ランドクルーザー」やメルセデスベンツ「Gクラス」、BMW「X5」といった“厚みのある大きなクルマ”を思い浮かべる方が多いことでしょう。当然この認識は正しく、ボリュームのあるクルマは総じて安全性に優れています。しかし、これは断じて「大きなクルマ以外は安全ではない」という意味ではありません。

コンパクトで中性的な外観でも、イメージとは裏腹に「高い安全性」を誇るクルマはたくさんあります。MINIはその最たる例と言えるでしょう。世界でも最高クラスに値するMINIの安全性能は、まさしく“良い意味で外観を裏切って”いるのです。おしゃれなイメージが強いMINIですが、これを知るとちょっとイメージが変わりませんか?

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