日本で10台限定販売の 35周年記念モデル「BMW M5 Edition 35 Jahre」はサーキット仕込みの本格派に

“限定”という言葉を聞くと心が躍ってしまう人もいるように、今回のBMWから発表された特別モデルは多くのカーマニアの心を奪ってしまうといっても過言ではありません。1985年に初めて販売された「BMW M5」は、その高いマシンスペックとデザイン性で多くの人から支持されているモデルとして知られています。その「BMW M5」は、東京オリンピックが開催される記念すべき年に35周年を迎えます。

そして、アニバーサリーイヤーを多くのファンと祝福するためにBMWは「BMW M5 Edition 35 Jahre」という35周年記念モデルを発売すると発表しました。まさにBMWのフラッグシップモデルを祝福するにふさわしい最上級のマシンスペックを保持した一台となっています。今回は、プレミアカーとなること必至の「BMW M5 Edition 35 Jahre」の魅力を紹介していきたいと思います。

なぜ、10台限定で販売?

BMWを始めとして各社が記念モデルを販売するときは、台数を限定したセールスを行います。もちろん、記念モデルという価値を高める意味もありますが、何よりもハイスペックモデルであるということが大きく関係しています。そもそもBMWにおける“Mライン”は、各モデルのフラッグシップとしての役割を担っているということを思い出してもらうと今回の限定数販売も納得できるかもしれません。“BMW M GmbH”(通称BMW M)は”BMWモータースポーツ”という企業をルーツにもっており、モータースポーツに特化していることが特徴として挙げられます。

1972年に設立された前身のBMWモータースポーツの時代からヨーロッパF2選手権やヨーロッパツーリングカー選手権など著名な大会に参戦してきた結果、現在ではF1やスーパーGTなどで優勝を飾るほどのノウハウと技術力を保有しています。
その第一線で活かされている技術力やノウハウを詰め込んだモデルこそ、BMWのフラッグシップモデルとしての役割も担っているMラインなのです。

現在までに、M1~M6・X5 M・X6M・Z3 M・Z4 Mなど数々のモデルが発売されていますが、今回の「BMW M5 Edition 35 Jahre」が最新モデルとしてラインナップされることになります。Mラインはフラッグシップモデルということもあり高価格帯のものがほとんどですが、35周年記念モデルは通常のMラインよりも価格だけでなくデザインと性能も特別なものになるとアナウンスされています。
発表時点では、約2160万円とされており「BMW M5コンペティション」の約1823万円と比較しても価格は上昇しています。

一方で、これから紹介するマシンスペックを知ってしまうと、この「BMW M5 Edition 35 Jahre」が採算を度外視した部分が多くあることも推測がつくことでしょう。つまり、記念モデルは利益追求のために販売されるモデルではないため世界中で350台、日本においては10台限定販売としているのです。では、その特別なマシンスペックを順番に見ていきましょう。

ベース車を凌駕したマシンスペック

画像引用:https://www.bmw.co.jp

「BMW M5 Edition 35 Jahre」のベースとなっているのは、同ラインで販売されている「M5 コンペティション」です。実はこの「M5 コンペティション」も鳴り物入りでラインナップされたモデルであり、現行モデルの中で最大出力をマークしています。なんと、625PSで最大トルク750N・mという一般車のセダンタイプでは型破りなほどのハイスペック。これを実現しているのが、4.4LのV8ツインパワーターボエンジンであり、「スタートからフィニッシュまで、鮮烈に」といううたい文句に負けないスポーツカー顔負けのモデルなのです。

その怪物のようなモデルをベース車とし、独自のチューニングと最新の機構を取り入れた「BMW M5 Edition 35 Jahre」はセダンクラスにおいて他の追随を許さないスペックを保持しています。エンジン本体はベース車と同じですが、独自のチューニングを施すことによって0-100km/hで3.3秒、0-200km/hでは10.8秒という爆発的な加速力をマークしています。また、「M5 コンペティション」と同様に8速MステップトロニックやMxDrive、Mディファレンシャルも搭載。とくに、8速というレンジを備えているセダンは少ないため、スポーティーという部分を強く意識したMラインならではの装備と言えます。

この“ステップトロニック”という名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。現行モデルの試乗などに行くと一度は耳にすると思いますが、一言でいうなれば“マニュアル変速付きオートマチックトランスミッション”のことです。このネーミングはBMW固有のもので、傘下のMINIなどでも同じ“ステップトロニック”という名称が採用されています。とくに、F1やスーパーGTなどのモータースポーツでは浸透しているパドルシフトを採用したMラインでは、8速という幅広いレンジの間で自在にクルマを操るという体験を味わうことができるのです。

ブラックとゴールドで上質な空間を演出

画像引用:https://www.bmw.co.jp

セダンという見た目とは裏腹にスポーツカー顔負けの走行性能をみせる「BMW M5 Edition 35 Jahre」ですが、セダン特有の高級かつ上質な車内空間とデザイン性を兼ね備えていることも魅力の1つと言えます。

35周年に相応しい特別なエクステリアとして採用されたのは“フローズン・ダーク・シルバー”というボディカラーです。一目見ただけで一般的なブラックカラーとは異なる上質な質感とマットな風味に特別な存在感を感じることができます。このボディカラーは「BMW M5 Edition 35 Jahre」のために調合されたもので、通常のMラインにはラインナップされていない限定色となります。また、その上質なボディにスポーティーなアクセントを加えているのが、専用設計されたYスポークデザインの20インチアロイホイールです。

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とくに軽量化を図った設計がなされている特注のホイールとなっているため、ボディカラーと同様に特別な一台を演出するアクセサリとして相応しいものに仕上げられています。
一方でインテリアも特別な空間を演出するために、メリノフルレザートリムのMマルチファンクションシートという特別仕様です。全体はブラックを基調としてまとめられており、アクセントとしてインストルメントパネルやセンターコンソール類にはカーボンストラクチャーのゴールド色が採用されています。

また、ドアの開閉時には“M5 Edition 35 Jahre”と書かれたドアシルフィニッシャー(ドア開閉時にみえるボディ部分)やシリアルナンバーが刻まれたカップホルダーカバーなど、限定台数のある35周年記念モデルらしい遊び心も垣間見ることができます。スポーツカー顔負けのマシンスペックからは想像がつかないほど上質な造りになっており、エクステリアとインテリアともにBMWらしさを感じることができるデザイン設計がファンの心をくすぐる一台と言えます。

可能ならば乗り回したい最高のマシン

今回紹介してきた「BMW M5 Edition 35 Jahre」は、M5の販売開始35周年を飾るためにオリジナルの設計やデザインが施された特別な一台と言えます。とくに、セダンタイプにおいて「BMW M5 Edition 35 Jahre」と同等以上のトータルスペックを有しているモデルは他にないと言っても過言ではありません。もちろん、価格は約2160万円とスペック同様に高く設定されていますが、35周年モデルだけの特別なエンジンチューニングやアクセサリなどを考慮すると決して高い買い物ではないと言えるのではないでしょうか。

日本では10台限定販売となる「BMW M5 Edition 35 Jahre」ですが、12月以降順次納車予定となっており、私たちが公道で目にする機会はM5が35周年を迎える2020年となることでしょう。東京オリンピックの開催を待つように、BMWの歴史において新たなマイルストーンとなる「BMW M5 Edition 35 Jahre」が披露される日を楽しみに待つこととしましょう。

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