BMW 3シリーズに「318i」が仲間入り コスパ良しの万能車

BMWの3シリーズと聞くと、馴染みのある人も多いかもしれません。現在では1~8シリーズに加えて、ZやX、iなど数多くのモデルが揃っている中で、なんと3シリーズはBMWの中でも日本に輸入され始めた当初から存在しているのです。

そのため、昔から馴染みがある方からすると3シリーズは、コンパクトセダンの代名詞というイメージがあるのではないでしょうか。

1975年に初めて販売された初代3シリーズ「E21」も有名ですが、なんと言っても“六本木のカローラ”と呼ばれていた2代目「E30」のイメージが強烈に残っている人が多いと思います。実は、この頃から3シリーズで人気のあったグレードが「318i」。いわゆる、スタンダードグレードよりもお得に購入できるという点で根強い支持を得ていました。

そして、世代を重ねていくうちに「318i」はラインナップから姿を消していたのですが、2020年8月に再び「318i」が復活を果たしました。果たして、2020年の「318i」も人気を集めることができるのか。その、パフォーマンスや秘められた個性を見ていきましょう。

廉価モデルではなく、良コスパモデル


7代目となる、新型3シリーズ

3シリーズというとBMWの中でもセダンタイプの入門シリーズとして位置づけられており、上位シリーズと比較するとコンパクトなボディが特徴となっています。

そして、2020年8月から販売されることとなった「318i」は、3シリーズの中で最も価格が安いモデルという位置づけで、いわゆる廉価モデルと呼ばれているモデルでもあります。廉価モデルって何?という方もいらっしゃるかもしれません。これは、スタンダードグレードから装備やスペックのグレードを落とす代わりに、価格を下げたモデルのことを指します。

このように聞くと、価格が安い分だけクオリティが低くなりそうだから、スタンダードグレード以上のものが良いのではと思われるかもしれません。しかし、「318i」は廉価モデルではなく、コストパフォーマンス抜群の優秀モデルというべき一台なのです。

良コスパの秘密は装備にあり

画像引用:https://www.bmw.co.jp

クルマを検討する際に最も重要となってくるのが、心臓とも呼べるエンジン部分。新型「318i」のエンジンは、2.0L 4気筒DOCHターボエンンジンです。

実は、3シリーズのスタンダードグレードとも言える「320i」と同じエンジンなのです。「320i」が184PS、300Nmなのに対して「318i」は156 PS・250Nmと、最高出力が28PS、最大トルクが50Nmだけデチューンされているのです。

とはいえ、日常生活において何ら支障のないスペックであるだけでなく、なんと燃費性能においてはWLTCモードで13.4km/Lと「320i」よりも0.4km/L分だけ性能が良いのです。さらに、エンジン性能を活かすためのトランスミッション機構は、上位モデルと変わらない8速ATが設定されています。

つまり、エンジン性能においては「320i」とほとんど変わりがないだけでなく、燃費性能では上回るという抜群のパフォーマンスをマークしているのです。

BMWこだわりの安全装備も採用


ステアリング&レーン・コントロール・アシスト

エンジン性能は問題のないことが分かりましたが、心配なのは安全装備。いくら安くなったからといって、安全面が脆くなるのでは本末転倒だと思う人も多いでしょう。

しかし、「318i」は安全面でも妥協はありません。上位グレードと変わらない高性能3眼カメラやレーダーを備えており、運転支援システム「ドライビング・アシスト・プラス」でドライバーをサポートしてくれます。


日本初となる3眼カメラで運転をサポート

例えば、歩行者の飛び出しを検知し急停止を行ったり、夜道で見にくい動物や人までもミリ波レーダーで感知してくれたりと、事故を防ぐための機能が充実しています。

また、アクティブ・クルーズ・コントロール(前方車両との車間距離を維持し、自動で加減速を行う機能)やレーン・チェンジ・ウォーニング(車体に接近してくる車両を検知し、ミラーのインジケータで知らせてくれる)、レーン・ディパーチャー・ウォーニング(70km/h以上での走行時に、車線から逸脱しそうな場合にドライバーへステアリングを振動させて知らせる)、ステアリング&レーン・コントロール・アシスト(車線の中央付近へステアリングを自動で調整し、渋滞時には先行者を自動追従してくれる)など多くの安全機能が標準装備として備えられています。


パーキング・アシスト・プラスで駐車も簡単に

さらに、注目したいのが「リバース・アシスト」も標準装備となっている点。これは、直前に前進したルート最大50mまでを記録し、同じルートを正確に戻ることができるという機能です。

新型1シリーズから装備され始めた新しい装備のため、「318i」のようなエントリーモデルでも装備されているというのは驚くべきことです。

気になる価格も問題なし

画像引用:https://www.bmw.co.jp

これだけの装備がついていたら、そこまで価格は下がらないのでは?と心配になるかもしれません。しかしながら、スタンダードグレードである「320i」が538万円に対し、「318i」は489万円と49万円もお手頃なのです。

さらに、前述した安全装備が標準となっているおかげで、満65歳以上のユーザーならばサポカー補助金として6万円の補助を受けることができます。そのため、「318i」は3シリーズの中で最大で55万円もの価格差を実現している、コストパフォーマンス抜群の一台と言えるでしょう。

また、「318i」の上位モデルとなる「318i M Sport」は559万円とノーマルの「318i」と比べたら高く感じてしまうかもしれませんが、「320i M Sport」は599万円と40万円も安くになっています。

「318i」には何が足りない?

価格も大幅に下がっている「318i」
画像引用:https://www.bmw.co.jp

エンジンも問題なく、安全装備も充実している。それなのに、スタンダードグレードよりも価格は最大55万円も安いとなると、どこが価格を下げている要因となっているのでしょうか。

もちろん、エンジンのデチューンも価格を下げる要因にはなっていますが、最も大きな装備面の違いは“シートヒーター機能”と“ワイヤレスチャージング機能”の2つだけになります。シートヒーター機能は、その名のとおりシートを暖めてくれる装備となっており、暖房に頼らなくても十分に過ごせるようになるため冬場には頼もしいものです。

また、ワイヤレスチャージング機能は耳馴染みない人も多いかもしれませんが、端的に言えばケーブルを接続しなくてもスマートフォンの充電ができてしまう機能のことです。最近のBMWでは、ドリンクホルダーの近くに設けられていることも多く、音楽を聴いたりすることが多いドライブなどでは活躍する場面も多くある人気の装備です。これらがない分だけ、価格が下がっていると考えても良いでしょう。

ただし、これらの装備は「コンフォートパッケージ」というオプション装備を追加することで、電動式トランクゲートやHi-Fiスピーカーシステムなどと一緒につけることも可能です。ほかにも、追加できるオプション装備に違いがあるなど多少の不満を感じる場面もあるかもしれませんが、オプション装備がなくとも十分に満足感を得ることができるでしょう。

ただし、従来設定されていた「320i」の廉価モデル「320i SE」よりもグレードアップしていますが、ツーリングモデルについては設定がないため「320i SE」を引き続き選ぶことになっていきます。

まとめ

2020年8月に発表された「318i」は、注目が集まっている3シリーズのエントリーモデル。スタンダードグレード「320i」と比べて最大55万円も安い一方で、安全装備やエンジン性能でも不満のない優秀な一台に仕上がっています。

廉価モデルと言われることの多い「318i」ですが、むしろコストパフォーマンス抜群のモデルとして人気が拡大していくことでしょう。ぜひ、あなたもその目で「318i」の良さを確認してみてください。

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