“遊べる軽”のキャッチフレーズで大ヒットした、写真のスズキ・ハスラー。しかし、黄色いナンバープレートのハズがなんで、普通自動車と同じ白いナンバーなのでしょう? 色を塗り替えた? ノー。合成写真? ノー。答えは、白いナンバーを取得できる新しい制度ができたからです。スズキから個性的な車種が色々でているのに、あの忌まわしい黄色いナンバープレートのおかげで購入を躊躇していたお客様も多いかと思います。全身黄色いボディカラーの新車を買って、ナンバープレートをカモフラージュしたとか…。まさに、黄色いナンバープレート・コンプレックス!! あの手この手で紛らわせてきた黄色いナンバープレートと、ついにお別れする時がやって来ました。ということで今回は、憧れの白いナンバープレート取得に関しての朗報です。
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まずは、日本ならではの軽自動車規格を確認
直近では、1998年の軽自動車規格の変更で、全長3.40m以下、全幅1.48m以下、全高2.00m以下、総排気量660cc以下、定員 4名以下という新規格が現在まで続いています。この年から、普通自動車と同じ安全衝突基準が採用され、軽自動車の安全性能が格段に向上。2000年には、高速道路での最高速度制限が、これまでの80km/hから、普通自動車と同様の速度100km/hへと引き上げられました。細く狭い道が多い日本の道路事情に合っていることや、税金や維持費が安いこともあり、2017年度には、登録車を含む新車販売台数で断トツのNo.1になるほど、売れに売れている軽自動車なのです。
軽自動車は、もともと白いナンバープレートだった?
クルマの種類や用途により、数種類あるナンバープレートの中でも、最も格好が悪いナンバープレートだと不評なのが、軽自動車の黄色いナンバープレート。実は、1975年の「黄色ナンバー」に変更されるまでは、軽自動車も「白ナンバー」でした。ただし、サイズは小さめ。普通自動車と区別するために、2輪車と同じ、ひと回り小さいサイズの小板ナンバー(小型番号標)が採用されていました。当時、高速道路の料金が普通自動車より約2割ほど安かったため、料金収受員の精算業務をラクにするため、軽自動車だとひと目で判別できるようにという工夫からだったのです。しかしそれでも認識しにくいので、軽自動車のナンバープレートに更なる視認性の良さが求められ、料金所ですぐに見分けられるように色を変えて区別することになりました。
その他、度重なる軽自動車の規格変更に伴って、段々と車体サイズが大きくなり、普通自動車と見分けがつかなくなったのもその大きな理由です。ほら、現在のテレビCMを見ても、「軽」なのか「普通自動車」なのか、車名ばかりアピールして排気量は分かりづらいですよねぇ…。そこで軽自動車のナンバーを白色以外にして、一目で区別できるようにしよう、というのがその経緯なのです。
なぜ、軽自動車のナンバープレートは黄色に?
それ故に、軽自動車のナンバープレートの色は、1975年よりいきなり「黄色」に決められました。いかにも軽自動車に乗っているようでイヤだ!! といった最初の発端がこの年だったのですね(笑)…。国土交通省による、ナンバープレートの色設定の条件として、「登録車のナンバープレートと明確に区別できる色」が原則となっています。様々な配色を組み合わせて視認性テストをした結果、昼夜を問わず、最も視認性が高かったのが「黄色地に黒文字」の組み合わせという結果でした。ちなみに営業用の軽自動車は逆の黒地に黄色文字。これも視認性が高い理由です。このような理由から、黄色いナンバープレートが採用されたそうです。現在の黄色いナンバーは、昔の軽自動車規格の名残でもあるんですね。
軽自動車を白ナンバープレートにする3つの方法
さて、軽自動車のナンバーを白ナンバーにする方法としては、❶オリンピックナンバー ❷ラグビーナンバー ❸地方図柄入りご当地ナンバープレートの3方法があります。前者2つは、どちらも「国民的イベント」に関する特別仕様のナンバープレートです。事前申し込みを必要としますが、簡単に取得することができます。また、全国41の地域で2018年10月に交付される、❸地方版図柄入りご当地ナンバープレートも白ナンバーのひとつです。3者とも独自の図柄がナンバープレートに施されていますが、その中でも、白地に近いデザインを選べば、合法的に軽自動車を白ナンバー化できるという訳です。
❶ 白ナンバー化にできる「オリンピックナンバー」
オリンピックナンバーとは、その名の通り、2020年7月に開催される、「東京オリンピック&パラリンピック」を記念する特別仕様のナンバープレートです。公募で選ばれたオリンピックナンバーのデザインには、色彩鮮やかな「図柄入りナンバー」と、白地ナンバーの右上部に「東京五輪エンブレム」が配置された「エンブレム付きナンバー」の2種類があります。トップ写真のスズキ・ハスラーの白ナンバープレートは、右側の「エンブレム付きナンバー」を取得したものです。
❷ 白ナンバー化にてきる「ラグビーナンバー」
ラグビーナンバーとは、これもその名の通り、2019年9月に開催される、「ラグビーワールドカップ2019」の特別仕様ナンバープレートのことです。軽自動車の白ナンバー化を実現する、「ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート」は2種類あます。ひとつは大会支援のため、1,000円以上の寄付金をすることで取得できる、ラグビーの図柄とロゴの入ったタイプ。もうひとつは、ナンバー右上部にロゴだけが入った、「ロゴ付きナンバー」になります。白ナンバー化にするには、右側のラグビーの図柄が入っていない「ロゴ入りタイプのナンバー」をチョイスするとよいでしょう。
❸ 白ナンバー化にできる「ご当地ナンバー」
ご当地ナンバープレートとは、地域の名産品や景勝地などがデザインされた「地方版図柄入りご当地ナンバープレート」のことです。全国41地域の各自治体がデザイン案を選定。もうすでに最終デザインが終わり、2018年10月から交付されることが決定しています。ただし、軽自動車用のご当地ナンバーは、普通自動車用の白ナンバーと同じ仕様ではなく、なんと「黄色い縁取り」がデザインされています!! 基本デザインは、白ナンバーをベースにしていますが、黄色い縁取りが気になる方は、このご当地ナンバーよりも、オリンピックナンバーやラグビーナンバーの方がお薦めです。まぁ、毛色が変わっているデザインなので、他の軽自動車ナンバーよりは、目立つことは目立ちますが(笑)…。
さて、ETCの軽自動車判定は一体どこでする?
ETC車載器を搭載した軽自動車は、料金所を通るとき、自動的に軽自動車であることが認識されます。登録されたETCカードは、ゲートを入った場所と時間が記録できる機能を持つ有料道路専用のクレジットカードに過ぎません。認識は、このETCカードではなく、ETC車載器に軽自動車であることがすでにセットアップされているので、ゲートを通過した時点で軽自動車であることが認識されます。なので、ナンバーの色が変わっても問題はありません。
また、ETC車載器が搭載されていない場合。ゲートで一旦停止すると、通行券が出てきます。この時、料金所ブースの両側に、高さセンサーや画像センサー(カメラ、画像検出、判定装置)により、入ってきたクルマが軽自動車だということを認識します。軽自動車の「車種5」の通行券がスムーズに発券され、軽自動車のナンバーも同時に刻印されるので、これも問題はありません。
前述にて、料金収受員の精算業務をラクにするため、係員がひと目で判別できるようにという配慮から、黄色ナンバーにしたという経緯をお話しました。ETCのレーンなどを通過しない「有人料金所ゲート」の場合には、やはりナンバーの色で軽自動車を判断しているため、軽自動車の白いナンバープレートが一般に普及するまでは、普通自動車と間違えられてしまうケースもでてくると思います。この場合は、自車が軽自動車であることを伝えてください。全国的にも早く、白ナンバー化の認知度が上がることを期待したいところですね。
白いナンバープレートにした時のデメリット?
また人によっては、軽自動車を白ナンバー化すると、普通自動車と同じ税金になると心配されているお客様も多くいるようです。しかし、総排気量や重量、ボディサイズが変わるわけではないため、軽自動車を白ナンバー化しても税金等は一切変わりません。ということで、ボディカラーに似合わない、黄色ナンバープレートとはもうおさらば!! アクティブなシニアには、渋めなボディカラーのスズキ・ハスラーを選択して、白ナンバー化にすることをお薦めします。どうしても黄色ナンバープレートが気になる方は、一度検討してみてはいかがでしょうか? 加えて、それぞれの白ナンバープレートの申請には申込み期間があるので、お近くのスズキ・ディーラーにてお確かめください。