免許を取ったらいきなりハーレー!スポーツスターがおすすめな5つの理由

かつてはベテランのバイカーが乗るイメージのあったハーレーダビッドソンですが、最近は逆に若い方が「ハーレーに乗りたいから」という理由で大型免許を取得するケースも少なくないようです。しかしハーレーといっても車種は多岐にわたるので、実際に愛車を選ぶ段階になってどれがいいのか迷ってしまう、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方におすすめしたいのがハーレーのスポーツスターシリーズです。今回はその理由を5つに分けて解説していきます。

理由その1:誰が見ても「ハーレー」らしいスタイリング

画像引用:https://www.harley-davidson.com

ハーレーのイメージは人によってさまざまですが、多くの方が思い描くのは丸いヘッドライト、小型のタンクにVツイン、低い車体のアメリカンバイクといったものではないでしょうか。スポーツスターのスタイリングはまさにこのイメージを具現化したもの、というよりもむしろ逆にスポーツスターが50年以上もかけてハーレーのイメージをつくってきたと言ったほうが正確かもしれません。

かつて日本でもホンダ・スティードやヤマハ・ビラーゴなどのようにスポーツスターをコピーしたようなアメリカンバイクが発売されましたが、いつの間にかフェードアウトしてしまいました。なぜなら、それら日本製アメリカンバイクに乗っていた方々は最終的には「本当」のハーレーに乗り換えていったからです。

現行のスポーツスターにはさまざまなスタイルのモデルをメーカー自身が用意しており、自分好みの一台が見つけやすいこともおすすめの理由です。チョッパースタイルならばアイアン1200、走りにこだわりたいなら倒立フォークを採用したロードスター、やっぱりローライダースタイルが好みならばフォーティエイトスペシャル、さらに個性的なカスタムのアイアン883と、ハーレーらしさを保ちながら、これだけのバリエーションを展開していることには驚かされます。

理由その2:低重心で良好な取り回し

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ハーレー=大型バイクというイメージで、「取り回しが大変なのでは?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。同じハーレーといってもツーリングになると装備品も増えるので、総重量は400kg近くになり取り回しは確かに大変です(「ロードグライドスペシャル」は総重量387kg)。

しかしスポーツスターは比較的軽量で、例えばスポーツスターXL883Lスーパーローは総重量で258kgと国産リッターバイクと変わりません(ホンダCB1100は256kg)。さらにハーレーの場合は重心が非常に低いという特徴があります。これはエンジンの搭載位置が他のメーカーのバイクに比べて低いことに加え、エンジンに伝統のOHVを採用していることによるものです。国産のスーパーバイクはDOHC方式を採用しており、高回転域までエンジンを回すのには有利ですがエンジンのヘッド部分にバルブを駆動するパーツが集中することで重心が高くなります。重心が高いと引き起こしや倒れてきたときに支えるのも一苦労です。ハーレーにまたがったときにその車体重量以上に安定した印象を受けるのはこの重心の低さによる部分が大きいのです。

またシート高の低さも取り回しの良さに一役買っています。やや高めのアイアン883でも760mm、その名のとおりスーパーローはなんと705mmという低さ。これなら小柄な方でも取り回しに不安を覚えることはないでしょう。実際に多くの教習所でハーレーが採用されているのも教習所のブランド・イメージを上げることはもちろんですが、この取り回しのしやすさがビギナーにも優しいということがあると思われます。

理由その3:豊富なカスタムパーツで自分だけの一台に

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スポーツスターは非常にスタンダードな、オートバイらしいスタイリングをしていることから、ビルダーのカスタム意欲を掻き立てるようで、国内外合わせて大小さまざまなカスタムパーツがリリースされています。パフォーマンスをさらにアップさせるようなものから小さなコスメティックパーツまで含めれば一冊の本ができるほどです。

そのカスタムの方向性もさまざまで、例えばもっとスポーティなバイクに仕立てたい、というとき、他のバイクであればカフェレーサーやレーサーレプリカスタイルにするのがスタンダードでしょう。

スポーツスターの場合にはそれに加えてダートトラック仕様にカスタムする方法もあります。ダートトラックレースとは楕円のフラットなダートコースを左回りに走って競うシンプルなレースです。このレースで圧倒的な強さを誇っていたのがハーレーのXRというモデルでした。スポーツスターを素材にXR風にカスタムするのが90年代中盤に流行りましたが、今改めて見てもアメリカンな雰囲気で素直にかっこいいと思えます。

レース関係以外では、松田優作氏の遺作となった映画「ブラック・レイン」の冒頭でマイケル・ダグラスが駆って街を疾走していたカフェレーサー風のハーレーも印象深いです。あのバイクはかつてハーレーがリリースした唯一のカフェレーサー、XLCRと言われることがありますが、実際には当時のスポーツスターをベースにXLCR風にカスタムしたもののようです。現在のスポーツスターをベースにブラック・レイン風にカスタムするのもなかなか渋い感じで良いのではないでしょうか。

理由その4:余裕のロングツーリング

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ツーリングのような大型のフェアリングやパニアケースのないスポーツスターにはあまり「旅バイク」のイメージはないかもしれません。もちろん、スピードを上げるにはフェアリングがあるのに越したことはありませんが、それよりも長距離を走る上で重要なのは「退屈しないこと」でしょう。

ハーレーの本場、アメリカ大陸のフリーウェイをツーリングするときに最高速度はあまり重要ではありません。というのもアメリカは州によっては日本以上にスピード違反に厳しいところがあるので調子に乗って飛ばしていると、ノルマ達成に懸命な州警察のハイウェイパトロールに想定外の納税をする羽目になってしまいます。

アメリカのフリーウェイでの制限速度はよく知られているとおり55~75mph(=時速88~120km)です。地平線の彼方まで続くような真っ直ぐな道でクルーズコントロールをセットしたら後は心地良いVツインの鼓動を感じながらひたすら走る…そんなツーリングがハーレーには似合います。

ハーレーよりも最高速度が速いバイクは国産車、輸入車を問わず多数存在します。しかし免許を取ったばかりであればその性能はちょっと過剰かもしれません。法定速度内で楽しめるハーレーを初心者の方におすすめしたいのはそういった理由もあります。

なお、スポーツスターの中でもXL1200Xフォーティエイトは燃料タンク容量が7.9Lで、「ピーナッツタンク」と呼ばれるほど小さいので燃料補給のためにストップすることが多く、ロングツーリングにはやや不向きです。スポーツスターをツーリングメインで検討しているのであれば他のモデルを選ぶことをおすすめします。

理由その5:実は意外にリーズナブル

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ハーレー、憧れているけれどさすがに価格が…と思っている方はいらっしゃいませんか?確かにハーレーは安さを売りにするブランドではありませんが、実は意外にリーズナブルなプライスタグがついているのをご存じでしょうか。

エントリーモデルとしてラインナップされているストリート750の価格はなんと88万3,300円です。国産車でもホンダCBR250RRが82万1,700円、カワサキNinja ZX-25Rが82万5,000円と250ccクラスでも最近は価格が高騰していることを考えるとかなり戦略的な価格といえるでしょう。

余談ですが、このストリート750の価格はハーレーの代表的なモデルの排気量、883にかけているのかもしれません。日本でスポーツスターがブームとなるきっかけをつくったスポーツスター883がまさに88万3,000円で発売され大ヒットとなったことを思い出します。

スポーツスターも輸入車のビッグバイクとしてはリーズナブルな価格となっており、134万4,200円(スーパーロー)から購入が可能です。国産のビッグバイクではスタンダードといえるホンダCB1100EXが 136万2,900円とほぼ同じ価格です。もちろん排気量などが異なるので一概に比較するのが難しい部分はありますが、輸入車であることを考えればむしろ国産車のビッグバイクよりもリーズナブルに感じられるのではないでしょうか。

ビギナーからベテランまで楽しめる「ザ・スタンダード」、それがスポーツスター

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スポーツスターが最初に登場したのは1957年のことで、実はハーレー史上最も長く使われている愛称です。ちなみにロングセラーと言われているホンダのスーパーカブの登場が1年遅い1958年なので現在生産されているバイクの中でも最も古い部類に入る愛称だと言えるでしょう。誤解していただきたくないのは、スポーツスターは決してビギナー向けのハーレーではないということです。ビギナーだけでなく何台もバイクを乗り継いできたベテランの方も楽しめる懐の深さがスポーツスターの最大の魅力です。

ジャズやポップスの分野で多くのアーティストに歌い継がれてリスナーに長く愛される曲を「スタンダード」と呼びますが、もしそれをバイクに当てはめるならばスポーツスターは必ずそのリストの中に加わるはずです。そんなスポーツスターが人生最初の一台になるのは、とても素敵なことなのではないでしょうか。

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