なぜ環境性能と安全にこだわるのか 知ったら乗りたくなるBMWのこだわり

良いクルマの定義とは何でしょうか。サーキットでコンマ1秒を競えるような圧倒的な速さを持ったものもあれば、速くはないけれど大量の荷物を積載できるものなど、現在では用途に対して様々な選択肢が用意されています。では、私たちが普段から乗るための乗用車においては、何が求められているのでしょうか。もちろん、人によってはデザイン性やエンジン出力の大きさなどを重視するかもしれませんが、どのようなクルマでも安全性は欠かせないものです。さらに、最近ではエコも重要視されてきており、高い環境性能も必要なものとなってきています。今回は、そんなクルマに欠かせない2要素といえる安全性能と環境性能の両方にこだわって生産を続けるBMWの取り組みについて紹介します。

環境への取り組みが活発なヨーロッパを代表するBMW


BMWのプラグイン・ハイブリッドのこだわり

地球環境問題が意識され始めて久しく、1963年にアメリカで「大気浄化法」が施行されたことにより世界各国で排出ガス規制が進んでいきました。とくに日本では、アメリカの動きを即座に反映した形でディーゼルエンジンから排出されるNOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)、SOx(硫黄酸化物)の規制が進み、2020年現在では年率5%程度の割合でCO2削減が掲げられています。とくに、企業別平均燃費基準という新たな基準が設けられたことにより、外国メーカーも含む日本で販売されるクルマは一定の燃費基準を満たしたものしか認められなくなります。

日本の排出ガス規制は世界的に見ても厳しいと思われるかもしれませんが、それ以上に自主的な取り組みも含めて積極的に排出ガス規制を行っているのがヨーロッパです。2020年現在は、EUによる「共通排気ガス規制」が適用されており、2021年にはCO2排出量を95g以下に抑えなければ1gの超過につき1台あたり95ユーロの罰金が科せられてしまいます。

そのヨーロッパにおいてとくに厳しい基準を設けているのが、BMWが本社を置くドイツなのです。とくに、旧西ドイツの頃から独自の排出ガス規制を敷いていたこともあり、EUが定める共通排気ガス規制よりも進んだ取り組みが主体的に行われています。

中でもディーゼル車に対する規制は厳しくなっており、ドイツ国内の多くの大都市でユーロ6の基準に満たないものやNOxの排出量が270mg/kmを超えるユーロ4・5適合車以外は走行禁止としています。さらに、2040年までにはディーゼル車を廃止するとの政府見解も出されるなど、急速にディーゼル車から電気自動車などへの乗り換えが進むと予想されます。

BMWクリーン・ディーゼル独自の仕組み
画像引用:https://www.bmw.co.jp

このような背景もあり、BMWでは「BMWクリーン・ディーゼル」という独自技術を用いたディーゼル車を販売しており、なんとガソリン車よりも平均25%もCO2排出量を抑えているのです。ほかにも、BMW i3をはじめとした電気自動車を販売しているだけでなく、ハイブリッド車や次世代自動車の開発にも力を入れており、今やヨーロッパの自動車メーカーを環境性能という面でもリードしています。では、なぜ他社よりも積極的に環境問題へ取り組むのでしょうか。実際の取り組みと併せて見ていきましょう。

10の事実から見るBMWの熱意

BMW i3ではシート素材にまでこだわっている
画像引用:https://www.bmw.co.jp/

2020年9月の新製品発表会でBMW 代表取締役社長 クリスチャン・ヴィードマン氏が「BMWグループは、常に未来を見据え、サステイナブルなモビリティを実現するための革新的な技術で世界をリードしてきました。BMWは長年にわたり環境問題を重視しており、自動車メーカーとして唯一、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(企業の ESG 行動を測定及び促進するための国際基準)に選定されてきました」と述べているように、企業活動の上でも環境問題への配慮が最重要課題として捉えられていることが分かります。

とはいえ、本当に熱心に取り組んでいるの?という疑問に対しては、2020年7月に「10の真実」としてBMWが具体的な数値を挙げながら以下の事例を紹介しています。

  1. 「99%」: BMW グループの工場からは、合わせて760,000t以上の廃棄物が生まれており、このうち99%をリサイクルし、再利用している。
  2. 「504,369台」:BMW i3を世に送り出した2013年以来、BMWは2019年までに累計504,369台の電気自動車を販売。その販売台数は年々増加を続けている。
  3. 「25%」:燃料消費量低減に貢献する「ECO PROモード」を、BMWのほぼすべてのモデルに装備し、最大25%燃費向上に貢献している。
  4. 「1.67億ユーロ」:BMWグループでは、2006年以降、製造をはじめとしたすべての工程における資源の消費量を低減。累計で1.67億ユーロ以上のコスト削減を実現した。
  5. 「194拠点」:厳格なサステナビリティ要件を満たしているサプライヤーにのみ発注。2018年に世界約4,200の拠点を対象に評価が行われ、基準を満たさなかった194拠点とは契約を終了した。
  6. 「3万頭」:南アフリカ共和国のハウテン州では、約30,000頭の牛の糞がバイオマス・プラントで電気に生まれ変わる。その電気はロズリンにある工場に供給され、必要な電力のうち約31%を賄っている。
  7. 「100%」:2020年までに使用電力の100%を再生可能エネルギーから供給される電力にする。世界では2018年までに約80%、ヨーロッパでは2017年に100%の再生可能エネルギー率を達成している。
  8. 「7万km」:従業員15,000人以上が、通勤に社用バスを利用。その延べ距離は、毎日70,000kmにも達しており、年間32,000tのCO2削減につながっている。
  9. 「50%」:ミュンヘンの工場では、新テクノロジーを導入した塗装工場を稼働。塗装によるCO2排出量を約50%、電力消費を26%削減した。
  10. 「25モデル」:2021年までに、電気自動車のMINI Electric、BMW iX3、BMW i4を発売。そして、グループ全体で2023年までに25種類のエレクトリック・モデルをラインナップする。

上記、10の数字からもBMWが環境問題に熱心に取り組んできていることが分かると思います。この取り組みの裏には、BMWが掲げている「駆け抜ける歓び」を新しい時代でも達成するためには、環境と調和したクルマづくりが欠かせないという考えがあります。これこそが、BMWが環境へ配慮する最大の理由なのです。

安全性能も妥協なしで両立

BMWでは360°の安全を意識したつくりに
画像引用:https://www.bmw.co.jp

BMWが環境性能と併せて大切にしているのが「ドライバーオリエンテッド」という設計思想。これは、クルマのテクノロジーに頼るだけでなく、人とクルマがコミュニケーションを取りながら運転するということを目指したものです。

これを実現するためにBMWが意識していることが、運転に集中できる環境をつくること。常にリスクを先読みした危険回避行動を取りつつ、万が一の際には被害を最小限に留める。例えば、3眼カメラ+衝突回避・被害軽減ブレーキを採用することで、高速道路の渋滞時にはハンズ・オフ・アシストを実現させ、毎秒2兆5,000億回の演算能力を持つ「EyeQ4」プロセッサで処理することにより、他社よりも正確なレーン・キーピングを実現させています。

安全を追求するBMWでは運転講習会も開催している
画像引用:https://www.bmw.co.jp

これらの最新機能をラインナップで最も廉価である1シリーズから搭載していることからも、ドライバーオリエンテッドという思想を価格やグレードに関係なく貫いていることが分かります。現在は、ドライビング・アシストのレベル4やレベル5をいち早く市販車に搭載するために、各種テストコースで実証実験を積み重ねています。いずれ運転免許証の必要のないBMWでのドライブを楽しむことができるようになる未来に向かっている途中です。

まとめ

今回は、BMWがなぜ環境性能と安全性能にこだわるのかを見てきました。どちらにもBMWが掲げている「駆け抜ける歓び」という標語を実現するためのものであり、そこには環境性能と安全性能の両立が必要なのです。そして、これらの根本には常にBMWのドライバーという存在が意識されており、乗る人すべてが楽しみながらも安心できるようになっています。ぜひ、あなたも安全性能と環境性能を追求するBMWの理念を、実際に乗って体感してみてください。

関連記事

月別アーカイブ

ページ上部へ戻る