スズキの真打はこの一台 新型「イグニス」

多くの人は、“軽SUV”と聞いてハスラーやジムニーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。世界の軽自動車市場をけん引してきたスズキですが、SUVブームの後押しもあり、いまや”軽SUV”セグメントの勢いは飛ぶ鳥を落とす勢いです。

また、通常のクロスオーバーSUVとしてエスクードやジムニー シエラがあり、こちらもスズキ独自の技術が活かされたクルマとして根強い人気を誇っています。

一方で、スズキのコンパクトカーセグメントを支えているクルマとしてスイフトやソリオがありますが、“コンパクトSUV”を担うクルマが長年ありませんでした。そこに目をつけて開発したクルマこそが「イグニス」です。

2016年の発売以来、スズキのコンパクトSUVとして多くのファンに支えられており、2020年2月にグレードアップが施され「HYBRID MF」という新グレードも追加されました。実はスズキのSUVの中でも利便性が高く、使いやすいクルマ。そんな新しくなった「イグニス」を見ていきたいと思います。

進化を続ける「イグニス」


ちょうどいい大きさが便利なイグニス

冒頭でも述べたようにスズキのSUVといえば、ハスラーやジムニーといった看板モデルの存在が大きく、売り上げ面でもスズキをけん引しています。そのため、軽自動車クラスのSUVが欲しいのならハスラーやジムニーを、そうでなければエスクードをと大きく二択になっていました。その両セグメントの間を埋めるような、新しいコンセプトのSUVがあったら面白いのではないか?そんな発想をもとに開発が進められてきたクルマこそが「イグニス」なのです。

スズキのコンパクトカーとして人気の高いスイフトをベースとしているのは、軽SUVとクロスオーバーの中間サイズを目指したため。なんと、「イグニス」という名前もスイフトの欧州仕様車からとってきたものでもあります。そして、2015年のジュネーブモーターショーで小型4WDセクションのコンセプトカーとして公開された「iM-4」を改良し、イグニスが2016年に発売されることとなったのです。発売以来、細かなマイナーチェンジを繰り返しており、2020年2月には大きく外観のデザインが変わり、新グレード「HYBRID MF」が追加されました。

よりSUVらしさを増した改良に

リア部分もスッキリと魅せるデザインに
画像引用:https://www.suzuki.co.jp

今回のアップデートで目立つのは、大きくデザインが変更されたエクステリア周りです。なんといってもクルマの顔とも言えるフロントデザインは、グリル部分が5スロットをモチーフとしたものへと変更されています。バンパー部分にはアンダーガーニッシュでスポーティーテイストを取り入れながら、SUVらしさの溢れるヘッドランプ部はLEDプロジェクターランプを採用することでしっかりと安全性も担保しています。

フロントデザインとは対極的に、リアデザインは都会的なデザインへと仕上がっています。バンパーの色をあえてボディと同色にすることで、ハッチバックの流線型がはっきりと目立つようになりました。

フロントデザインはSUVらしさを強めながらも、ハッチバックの存在感を強めたリアデザイン。これに、トールワゴンのような高い地上高とあわさることで、人気のある都市型SUVへと進化したエクステリアデザインと生まれ変わったのです。

インテリアは、使いやすいシンプルなデザイン

シンプルの中にも目を惹くカラーパネルを配置
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今回のアップデートで進化したのはエクステリアだけではありません。なんといっても特徴的なのは、シンプルな見た目に統一されていることでしょう。まず、扉を開けて目に飛び込んでくるのは、レザー調のファブリックシート。シンプルだけれどもスタイリッシュな印象を与えてくれるデザインで、SUVらしくシートの左右が体をホールドしてくれます。このシートを含めたインテリアカラーは、ボディカラーとあわせて設定されています。

インパネ部分は、白と黒のコントラストが効いた配色になっています。タコメーターは視認性が良い多機能メーターが採用されています。メーターパネル内には平均燃費や積算アイドリングストップ時間などを表示する、マルチインフォメーションディスプレイを採用。インテリアは見た目もシンプルで使い勝手が良いものとなっています。

SUVとしての機能も十分

イグニスで気になるのは、やはりSUVとしての機能性が十分に備わっているかどうかではないでしょうか。軽SUVとクロスオーバーの中間という位置づけだけに、SUVとしての機能は一定水準以上のものが求められています。それだけに、スズキも4WDシステムとして“ビスカスカップリング式”を採用しています。これは、通常走行時は前輪に駆動力を配分し、雪道などスリップしやすい路面を走行する際には、前輪と後輪に駆動力を自動配分するというシステムです。このため、ぬかるんだ道や雨天時でも安心して運転することができるだけでなく、自動的に駆動力を配分するために燃費効率も上がるという嬉しい効果もあるのです。

また、走行性能に直結するのが、いわゆるロードクリアランスと呼ばれるものです。このロードクリアランスとは、最低地上高のこと。つまり、地面からどれだけ車体が離れているかということを指しており、ロードクリアランスが高いほど路面の影響を受けにくいという指標になります。

イグニスでは大径タイヤを採用し、最低地上高180mmを確保。さらに、アプローチアングル(前方の障害物をゼンリンから乗り越えられる角度のこと)やデパーチャーアングル(アプローチアングルのリア部分のこと)も大きく確保することで、オフロード走行はもちろん段差のある路面でも問題なく走破することができるのです。

さらに、グリップコントロール機能もついており、雪道やぬかるんだ道から発進する際にタイヤのスリップを防ぎ、常にスムーズな発進ができるようアシストしてくれます。

アウトドアや買い物にも便利な収納力

ハッチバックで積み降ろしも簡単
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SUVに求められるものとして、走破性以外に収納力が挙げられます。最近では、キャンプブームの影響でSUVを購入するという人も増えているのです。イグニスはコンパクトカークラスの大きさがあるため、軽SUVよりも積載量は増えています。背もたれを倒さない状況で258L、ゴルフバックを横置きで1つ置けるほどに余裕があり、背もたれを倒した状況では415Lもの大容量になります。

ラゲッジ部分は防汚仕様
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さらに、ラゲッジボードの下にはサブトランクが設けられているため、小物の収納にも困りません。

便利装備でさらに快適に

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収納力も抜群なイグニスをさらに快適にする装備も豊富に用意されています。まず、オススメしたいのが“クルーズコントロールシステム”。約45km/h~約100km/hの間で設定した速度で巡行してくれるため、高速走行時やロングドライブ時のドライバーの負担を軽減してくれます。

また、ロングドライブが好きな人や女性にオススメしたいのが“プレミアムUV&IRカットガラス”です。紫外線(UV)を99%カットするだけでなく、赤外線(IR)も抑えてくれます。これにより、肌が焼けるのを防ぐことができるだけでなく、車内の温度上昇を抑制してくれるのです。

ほかにも、シートヒーターや指先でシフトチェンジのできるパドルシフト機能なども用意されているため、自分が欲しいものだけをオプション装備として追加するのも良いでしょう。

まとめ

今回はスズキのイグニスを紹介してきました。軽SUVとクロスオーバーの間を埋めるセグメントとして設計されており、すべてにおいてちょうどいい、使い勝手が便利な一台です。とくに、SUV人気が高い中でライバル車の少ないクラスだけに、マイナーチェンジを繰り返して魅力を増しているイグニスの人気が高まっていくことでしょう。

ぜひ、みなさんも実際にイグニスに試乗してみて、その使い勝手の良さを体感してみてはいかがでしょうか。

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