なぜスズキは農家や職人に選ばれるのか? 納得の機能性に支持

四季の恵みを受けることのできる日本。津々浦々にある里山や漁村ではマイカー以外にも、仕事で使うための商用車を日常的に見ることができます。 とくに日本は海外と比べても道幅が狭いところも多く、利便性の高い“軽商用車”と呼ばれる軽自動車規格の商用車が多く普及しています。 中でもスズキは軽商用車というジャンルにおいて絶対的王者ともいえるほど支持を受けており、軽商用車を購入する人にとっては魅力的なメーカーの1つです。

軽自動車の強みを活かした商品開発

キャリイの前身「スズライト・キャリイ」
画像引用:https://www.suzuki.co.jp

商用車と一口に言っても大型のものから小型のもの、さらに専門的な装備が施されているものなど多岐にわたります。スズキが商用車の開発に乗り出したときに他社との差別化、とくにスズキだからこそ造ることのできる商用車として多くの“軽商用車”が誕生しました。

実は、この“軽商用車”のルーツを辿ると戦前の“オート三輪車”にまで遡ることができます。世界中を見ても他になかった“オート三輪車”という日本特有のクルマが戦後、“軽三輪車”として大ヒット。この頃は、現存しない数多くのメーカーがそれぞれ個性的な一台を生産していました。しかし、戦後の高度経済成長期には全国に高速道路やアスファルト舗装された道路が敷設されていくなど自家用車普及への動きが急速に進み、三輪車から四輪車へと本格的に遷移していったのです。

時代の潮流に乗るように、スズキも日本で初となるFF駆動方式の軽自動車“スズライト”を開発し、その後数々のヒット作を世に送り出していました。中でも、軽商用車として長きにわたって愛されているのが「エブリイ」と「キャリィ」の2車種です。いわゆるワンボックス型の“バン”と呼ばれるタイプが「エブリイ」、2ドア軽トラックが「キャリイ」と棲み分けがされています。実は、この2車種のルーツは前述した“スズライト”の商用車向けである“スズライト・キャリイ”なのです。

最初に市場投入された”スズライト・キャリイ(キャリイトラック)“が低価格かつ高性能と評判を呼ぶと、「エブリイ」の前身となる”スズライト・キャリイバン“も販売されました。販売された両タイプとも売れ行きが良く、スズキは軽商用車における確固たる地位を築くこととなり、現在の「キャリイ」や「エブリイ」などの本格的な軽商用車開発につながっていくのです。

プロも納得の使いやすさが満載

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軽商用車の中でも「キャリイ」や「エブリイ」が選ばれるのは、現場のプロが納得できる使い勝手の良さ。何よりも、軽自動車規格の大きさでは他に例がない程に、徹底的に使用者目線で考えられた機能が豊富に搭載されていることが挙げられます。前述した“スズライト・キャリイ”の開発時から意識されていたのが、荷物の積み下ろしのしやすさです。「エブリイ」と「キャリイ」のどちらでも、どのような職種においても発生してくるのが荷物の積み下ろしです。

積み荷も自由なレイアウトで
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とくに、エブリイの場合は配送・運送業にも使われることが多く、荷物の積み下ろしを頻繁に行っても負担になりにくい車体設計が求められます。そこでスズキは、開口部は最大にしながら荷室床面地上高をギリギリまで低くすることで荷物の積み下ろしのしやすさを実現しています。

この設計により荷室スペースも最大限取れるようになっているため、軽キャブバン(1ボックス型軽商用車)タイプの「エブリイ」では同クラスナンバーワンの積載量となっており、一般的な段ボール箱(幅601mm×奥行450mm×高さ453mm)で15箱。小型の段ボール箱(幅497mm×奥行315mm×高さ293mm)なら46箱も積み込むことが可能です。

一方「キャリイ」の場合は軽トラックでナンバーワンの荷台フロア長となっているため、段ボール箱や農作業コンテナだけでなく、高さのある荷物や長尺物も運ぶことができるなど職種を選ばずに“使いやすい”を実現しています。

コンテナも楽に積める設計に
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さらに、「エブリイ」は街中や住宅街での使用を、「キャリイ」は天候に左右される屋外での使用をメインとして開発されているため、それぞれ独自の装備や機能を搭載しています。仕事で使うからこそ気を付けたいのが安全性。とくに、住宅街の出入りが多くなるプロに支持されている「エブリイ」には、スズキ独自の安全機能を搭載しています。

「SUZUKI Safety Support」として乗用車にも搭載されている8つの技術、とくに“デュアルカメラブレーキサポート”機能は車両前方の歩行者や車両を検知しブレーキ踏力を補助してくれ、衝突回避・被害軽減につながるため歩行者の多い街中では心強いものになります。また、車体設計自体もピラーの形状やドアミラーの位置を最適化することで、通常の乗用車にはない視認性の高さも確保しています。

一方で「キャリイ」はトラックタイプのため、雨による浸食や農作業コンテナとの衝突にも耐えることのできる堅牢性が求められています。そのため、同業他社の軽トラックと比較してもトップクラスの防錆加工、ボディの表面積すべてに“防錆鋼板”を採用しています。ボディの上から3層構造の塗装となっているため雨や傷によるサビにも強く、塗装が難しいヒンジ部分には防錆油を塗布するという念の入りようです。それでもサビが出た場合は、スズキ独自のサビ保障(穴あきサビは5年、表面サビは3年保証)によってメンテナンスを受けることもできるなど、徹底して長く使うことのできる堅牢性にプロの支持が集まる理由があります。

支持されるプロ仕様の装備

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仕事で使うからこその安心感や堅牢性があるだけでなく、プロが納得する理由には充実したオプション装備も欠かすことができません。そもそも「エブリイ」には“PCリミテッド・PAリミテッド”、「キャリイ」には”KCスペシャル・農繫スペシャル”、”スーパーキャリイ”、”キャリイ特装車”という仕様が異なるモデルが販売されています。それぞれ、安全装備やインテリア、エクステリアが異なるなどの変化ですが、中でも”キャリイ特装車”は専門的な大型装備をつけることのできる特別なベース車となっており、専門的な職種にも対応できるラインナップの広さがプロに支持されています。

冷凍車(上図)とゲートリフター車(下図)
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例えば、土木・造園関係には電動油圧式ダンプ、食品・輸送関係には冷凍車や保冷車、ガスボンベや家電など大型の積み下ろしが多い職種にはゲートリフターなど、専門的な装備を軽商用車でも選ぶことが可能なのです。一般的にはこれらの専門的な装備があるトラックを購入しようとすると、大型のものが多く軽トラックで装備できるものは少ないのが現状です。とくに、個人商店や中小規模の業者関係者の中には軽トラック程度の積載量、大きさで必要十分な場合も多く、軽トラック規格ながらも専門的な装備を選択することができる“キャリイ特装車”はプロに支持されているのです。

また、“エブリイ”には荷室にアクセサリーパーツを装着することのできるユーティリティナットが多く備えられており、拡張が必要な場合はオプション装備を装着するだけで実現することが可能です。例えば、洋服を多く積まなければならないときにはハンガーを吊るすことのできる”ハンガー受け”を装着。荷物を多く積むことが多い場合は“間仕切りカーテン”を装着することで荷崩れを防ぐなど、多くの装着アクセサリーが用意されていることも魅力の1つです。

スズキの軽商用車だからこそ支持される

利便性の高い車体設計と便利な装備品、これだけでも十分にプロに支持されそうですが最大の理由は信頼性の高さにあります。プロが仕事で使う以上、トラブルや機能性の不足があっては困ります。とくに乗用車と異なり、荷物の積み下ろしや悪天候時の作業が毎日のように続いても問題が起きないクルマでなくてはなりません。

スズキの軽商用車は“スズライト・キャリイ”の時代から現在まで歴史が続いており、現在も多くのプロが使っているという実績と信頼性があります。それゆえに、世代や職種を超えてスズキの軽商用車が選ばれるのです。軽自動車の設計・生産を得意とするスズキだからこそできた“エブリイ”や“キャリイ”などの軽商用車。その姿はこれからも世代を超えて進化しながら、多くのプロに支持されて使われ続けていくでしょう。

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