2種類の「スイフト」特別仕様車から見る”人気の理由”

軽自動車やセダン、SUVなど多くのカテゴリがある中でも高い人気を誇るのがコンパクトカー。日本の自動車業界においても市場をけん引してきたカテゴリであり、ハッチバックやトールワゴンなど空間を広くとることのできる設計が可能なため、車体デザインの自由度が高いことが特徴でもあります。

とくに、小型で扱いやすいという特徴からラリーやジムカーナといったモータースポーツにも積極的に使用されているなど、各メーカーが独自色を表現しやすいというアドバンテージもあるため個性豊かな車種が多く、魅力的なものも多く揃っています。そのように各メーカーがしのぎを削っているカテゴリのなかでも根強い人気で売れ続けているのがスズキ「スイフト」です。

なぜスイフトは売れ続ける?

画像引用:https://www.suzuki.co.jp

初代スイフトが販売されたのは2000年のことであり、2020年で20周年目に突入することになるロングセラーモデルでもあるスイフト。もともとはスズキの他車種と同じく当時人気を博していた「Kei」から派生したモデルであり、クロスオーバーSUVを意識したモデリングと可変バルブ機構を採用した88馬力という性能の良さ、何よりも手ごろな販売価格で買える高コストパフォーマンスな車種として設計・製造されました。

この戦略は見事にヒットし官公庁や事業者向けに留まらず、パトカーとしても全国的に導入されることになり、スイフトという車種は浸透し知名度を上げることになりました。もちろん、このままの戦略を取り続けることで生き残ることもできる中、あえて2004年にフルモデルチェンジを行った2代目スイフトからは“世界戦略車”という位置づけで価値を高めていくという手段をスズキは選んだのです。

エクステリアデザインを担当したのは数多く受賞しているデザイナーの結城氏であり、コンセプトカーから市販車のデザインまでを一貫して担当。販売の2年前からコンセプトモデルなどを公開し、世界中を飛び回りながら世界戦略車として相応しいモデルにしようと、従来の開発プロセスを作り変えるような多くの試みがなされました。これにより、2代目スイフトはグッドデザイン賞を受賞し、2005-2006年日本カーオブザイヤー特別賞、2006年次RJCカー・オブ・ザ・イヤーなど立て続けに栄誉を勝ち取り、スズキの看板車として君臨することとなります。

実は、この2代目スイフトの大きな変革が現行モデルである4代目スイフトにまで大きな影響を与えているのです。1つは、デザイン性と走行性能の重視。2代目スイフトからは世界戦略車として相応しいデザインにするべく大きな労力をかけており、その基本デザインは4代目スイフトにも色濃く影響が残っています。また、それに併せて走行性能も強化できるように剛性と軽量化を重視しており、現在では販売されている4種類のスイフトすべてにおいて1t未満という軽量化に成功しています。

そして、もう1つの影響は多くの特別仕様車を販売するという戦略を受け継いでいるということです。例えば、2代目スイフトでは受賞記念モデルや装備を変えた特別仕様車、事業者向けのカーシェアリング専用車など多様なニーズを持った個人・法人ユーザーが飽きないように、常に市場へと新たなスイフトを提案し続けるという姿勢は現行モデルにおいても採用されています。

2つの特別仕様車「MG」と「XR」

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4代目スイフトとなる現行モデルでは、「スイフト」「スイフトスポーツ」のほかに2018年10月からは「スイフト XRリミテッド」、「スイフト ハイブリッドMGリミテッド」という2種類の特別仕様車がラインナップされています。それぞれ、”XGリミテッド”と”ハイブリッドML”という特別仕様車を継承するような形で販売され始めたモデルであり、ベースグレードとは内装・外装共に大きく異なるスペックを有しています。「スイフト XRリミテッド」は、なんといってもコンパクトカーにない高品質な内装を実現するために、様々な場所にチタンによる装飾が施されています。

チタンによる装飾が美しい内装
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ドアアームレストやコンソール部にチタンによる装飾が施され、そのデザイン性を高めるようにステアリングホイールも本革巻き、シートも専用デザインのものが装備されています。また、ベースグレードにはついてこないセーフティーパッケージも標準装備となっており、見た目だけでなく安全性についても十分に考慮された設計となっています。一方で「スイフト ハイブリッドMGリミテッド」は、マイルドハイブリッド化(搭載されている発電機を補助用モータとして使用できる形式のこと)されたモデルであり、アイドリングストップ機構やエコクール機能を搭載することで日常的なコスト削減と世界戦略車に相応しい環境性能へも貢献しています。このように、ベースモデルとスポーツモデルに加えて2種類もの特別仕様車が用意されている車種は珍しく、スズキがスイフトに対して力を入れていることが分かります。

スイフトだからこそ選ばれる

初代スイフトの頃から高いコストパフォーマンス性能で支持されてきたように、現行モデルである4代目スイフトのベースモデルでも約137万円、XRリミテッドモデルでも約153万円から購入することができるなど、スズキはコストパフォーマンスを考慮した価格設定を守り続けています。

自動車税などを考慮して軽自動車へと乗り換える人も多い一方で、軽自動車の販売価格は上昇しており、コンパクトカーと大きな差はなくなってきています。そのため、ユーザーにとっては予算に対する選択肢が多くなっており、より個性的でコストパフォーマンスの高いモデルが選ばれる傾向が強くなってきています。その中で、前述したように幅広いラインナップを揃えているスイフトは多くの人にとって選びやすく、長く乗り続けられるだけの安心できる性能から多くの人に選ばれています。

例えば、高いデザイン性と走行性能を備えたスイフトの特別仕様車には、”SUZUKI Safety Support”が搭載されており、6つの安全機能によってドライバーと同乗者を危険から守ってくれます。とくに、特別仕様車であるXRリミテッドは「サポカーS ワイド」と「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)認定車」を備えたモデルであること。これが、若い人だけでなく高齢者にとっても安心して乗ることのできるスイフトならではのターゲット層の広さを表しています。つまり、選択肢の多いユーザーにとってスイフトはライバル車と比較しても、より良い選択肢となっているからこそ選ばれるということなのです。

スイフトはスズキをけん引していけるのか?

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高い性能とコストパフォーマンスを両立していることで人気を博しているスイフトは、特別仕様車をラインナップしたりマイナーチェンジを行ったりとユーザーを飽きさせない商品づくりがなされています。では、20周年を迎えたスイフトは30周年40周年とスズキをけん引していくようなロングセラーモデルとなることができるのでしょうか?答えとしては、十分にその可能性が高いと言えるでしょう。

また、冒頭で述べたように自由さをもつコンパクトカーは、世界戦略車としてグローバルに通用するデザインや設計を試すことのできるモデルなのです。そのため、スズキにとって世界戦略車という位置づけにあるスイフトは、世界にスズキブランドを発信するためのモデルとしての責任も担っています。したがって、フルモデルチェンジを重ねながらもスイフトという名前は継承されつづけることでしょう。そのようなスズキにとっての特別な一台であるスイフト。ぜひ一度、その目で確認してみてはいかがでしょうか。

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