ビーエム、ビマー、宝馬…BMWは世界でこんな愛称で呼ばれています!

日本ではBMW JAPANができて以来、「ビー・エム・ダブリュー」という英語読みでの呼び名がBMWの正式な名称となっていますが、会話などで使われる場合にはやや長いこともあり、「ビーエム」と愛称で呼ばれることも少なくありません。

日本でのビーエム同様、英語圏では「ビマー(Bimmer)」や「ビーマー(Beamer、Beemer)」、中国では「宝馬(バオマー)」といった愛称がつけられています。

BMWは世界的なブランドカーとして世界中で認知され、愛されていることから、それぞれの地域でさまざまな愛称がつけられているのではないでしょうか。

今回は、世界各地でのBMWの愛称とその由来について解説していきます。

「W」の悲劇

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BMWはドイツ語で「Bayerische Motoren Werke(バイエルン発動機製造)」の頭文字を取ったもので、本国のドイツ語では「ベー・エム・ヴェー」と発音し、英語読みでは「ビー・エム・ダブリュー」がオフィシャルの呼び名となっています。

実は、英語圏ではこの最後の「W」がちょっと発音しづらいようで、Wを省略したビマー(Bimmer)やビーマー(Beamer、Beemer)が愛称として使われるようになりました。

日本語でも「ビー・エム・ダブリュー」だと、会話ではちょっと長く感じられるため、同様に「W」を省略した「ビーエム」という愛称で呼ばれていることはご存知のとおりでしょう。

なお、BMWによれば、本国のドイツ語では「ベー・エム・ヴェー」とすらすら発音できるので、Beemerやビーエムのような愛称はないとのことです。
(参照:BMW オフィシャルサイト“BMW explained”)。

それでは各地でのBMWの愛称について、その由来を見ていきましょう。

もっとも古い愛称、ビーマー(Beemer)はイギリス生まれ

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英語圏でBMWの愛称としてポピュラーなのはビマー(Bimmer)やビーマー(Beamer、Beemer)などですが、この中でもっとも古いのがビマー(Bimmer)でイギリスが発祥と言われています。当時はBMWといえば四輪車ではなく二輪車メーカーとして名が知られていたので、この愛称もBMWのオートバイにつけられたものです。

かつてイギリスにはBSAという有名なオートバイメーカーがあり、ビーザー(Beezer)という愛称で親しまれていました。BMWのビマー(Bimmer)とは、BSAのビーザーになぞらえてつけられた愛称なのです。

イギリスでBMWが有名になったのは、現在も続くマン島TTレースでの活躍によるものでした。第二次世界大戦前の1939年には早くもBMW 255コンプレッサーというオートバイがイギリス車以外では初となる優勝を飾っています。

マン島TTレースは戦後も続き、1949年から1976年まで世界ロードレース選手権(WGP)の一戦に組み込まれていましたが、BMWは戦前からも含め26回もの優勝を記録しています。

ビマー(Bimmer)という呼び名がイギリスで広まるにつれ、同じ発音で読み替えとなる「Beamer」という愛称も現れました。「Beam」に似ていますが、単なる偶然で「光線」などに関連するような意味はないようです。

いまや世界標準の愛称?ビマー(Bimmer)はアメリカが発祥

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今や世界的に見てBMWのもっともポピュラーな愛称となっているビマー(Bimmer)は1970年代にアメリカで生まれました。1970年代に入り、初代5シリーズや初代3リーズ、そして初代7シリーズといった後にBMWの基幹車種となるモデルが登場して、アメリカ市場でも販売され、大変好評を博しました。

当初はアメリカでもオートバイ同様にビーマーという愛称がポピュラーでした。そんな中、BMWクラブボストン支部だけがBMWをビマーと呼び、その会報誌に「ビマー」と名づけていました。

また、偶然にも同時期にアメリカで発売された「THE MAGAZINE ABOUT BMW Bimmer」という雑誌の記事で「BMWオートバイのビーマーに対して四輪のBMWの愛称はビマーが良いのでは?」と呼びかけたことから、「ビマー」という愛称が一気に広まりました。

確かにクルマもオートバイも同じ「ビーマー」という愛称だと、会話の中でどちらのBMWを指しているのかが分かりにくいので、適切な提案だったと言えるでしょう。

3代目3シリーズ(E36)が登場して2代目に引き続き大ヒットを記録、ワールドワイドな人気を博すとともに、「ビマー」という愛称が世界中のクルマファンに広まっていきました。今や本国のドイツでも、ビマーで通用するようになったようです。

BMWはゴルフやクラウンといった車名ではなく、英数字の組み合わせを採用しているためかそれぞれの車種別にはとくに目立った愛称はつけられていないようです。例外は1968年に登場してBMWの評価を確立した2002シリーズで、このシンプルでクラシックなセダンは根強い人気があり、とくに日本では、「マルニ」という愛称がつけられて今も親しまれています。

愛称のかわりにBMWの場合は3シリーズ5シリーズのように長く愛されるスタンダードなモデルが多いことから、どの年代のモデルかがわかりやすい型式番号で呼ぶ方も多いようです。BMWが車両に用いる型式には規則性があり、アルファベット+数字の組み合わせでアルファベット記号は後ろになるほど、数字は大きくなるほど新しいモデルになります。アルファベットが変わるのは最近の傾向で、クルマの基本となるプラットフォームが一新された時に変更されているようです。

単に3シリーズに乗っているというよりも、「E36です。ちょっと古いですが気に入っていますよ」とか、「先代のF30です。最新のG20も気になっています」と言ったほうが具体的なモデルがイメージしやすいからでしょう。

中国でBMWが宝馬(precious horse)と呼ばれる理由は?

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今や北米を抜き、世界最大の自動車市場となった中国、BMWも現地企業との合弁により2つの工場を稼働、2019年には年間生産台数を52万台に引き上げるなど、他の地域に劣らぬ人気ぶりです。

中国ではBMWは宝馬(発音は「バオマー」)という愛称がつけられており、現在では現地との合弁企業名も、そこから取られた「華晨宝馬汽車」となっています。BMWの「宝馬」とは文字通り(precious horse)という意味ですが、「宝馬」と呼ばれる理由は英語の愛称である「ビマー」によるものです。日本で外来語をカタカナ表記するように、中国語では外来語を表記する際には外来語の発音に近い漢字をあてることが一般的です。

例えば、McDonald’s(マクドナルド)は「麦当労」、Coca-Cola(コカ・コーラ)は「可口可楽」となりますが、中国語(普通語)では、それぞれ「マイダンラォ」、「クゥアカクゥアラァ」と発音するので、もとの英語の発音に近い漢字をあてていることが分かります。

さらに漢字には音をあらわすだけでなく、意味をあらわす役割もあることから音をあてるのと同時に漢字でそれぞれにふさわしい意味を込めることもできるのが特徴です。例えば日本のサントリーは中国語では「三得利」(サンドゥリ)となりますが、音が近いだけでなく、3つの利益、得といった中国の方にとって非常に好ましいイメージのネーミングと言えます。

BMWにあてられた「宝馬」は「ビマー」という音をあらわすだけでなく、高い価値を表す「宝」と移動手段であると同時に神聖な生き物とされている「馬」を組み合わせることで、中国ではステイタスシンボルとなっているBMWにふさわしい愛称になっていると言えるのではないでしょうか。

余談になりますが、中国語でのユニークなネーミングの例として、かつて大きな話題になった、「ライブドア」を紹介しておきましょう。ライブドア事件が中国でも大きく報道された時、ライブドアには「活力門」という表記があてられました。「ライブ」=「活力」と、「ドア」=「門」の組み合わせなので訳としても順当なのですが、面白いのはその発音です。活力門を中国語で発音すると、「ホーリーメン」…そう「ホリエモン」です。なかなか遊び心のあるネーミングですね。

恥ずかしくもちょっと懐かしい、「ベンベってビーエムのこと?」

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日本では1981年にBMWの日本法人であるBMW JAPANが発足し、それ以降は英語読みの「ビー・エム・ダブリュー」が正式名称となり、「ビーエム」と略されることが多いのは皆さんご存知のとおりで、いつ頃から「ビーエム」と略されるようになったのかは不明ですが、1つの手がかりとしてユーミンこと松任谷由実さんが1987年にリリースしたアルバム、「ダイアモンドダストが消えぬまに」に収録されている「SATURDAY NIGHT ZOMBIES」があります。当時大人気だった、フジテレビの番組「俺たちひょうきん族」のエンディングテーマにも使われていたのでご存知の方も多いでしょう。

時代はまさにバブル景気真っただ中、六本木のナイトシーンを描いたきらきらした曲ですが、歌詞の中に「BMWの掃木でSATURDAY NIGHT」というフレーズが出てきます。歌詞を見ると「BMW」と表記されていますが、ユーミンは「ビー・エム・ダブリュー」ではなく「ビーエム」と歌っています。

この当時、3代目BMW3シリーズ(E30)が日本にも輸入され、手ごろなサイズと高性能、端正なデザインに加え国内での販売網が整備されたことから、BMW JAPAN始まって以来の大ヒットとなりました。とくに夜の六本木では国産車よりも3シリーズをよく見かけたという都市伝説?から、「六本木カローラ」とまで言われるようになっていたのです。

このように、それまではどちらかといえば通好みの高性能車というイメージだったBMWが、お洒落で高級な輸入車として一般に浸透していった日本のバブル期(一般的には1986年頃~)に「ビーエム」という愛称が自然に生まれ、広まっていったことは間違いないようです。

ところで、BMWオーナーの方の中で、「お、ベンベ買ったの?」と言われてちょっととまどった経験のある方はいらっしゃいませんか?そう言ってくる方は、比較的年齢が高い方が多かったのではないでしょうか。

実は、BMW JAPAN設立の1981年以前では、英語読みではなくドイツ語読みに近い「ベー・エム・ヴェー」という表記のほうが一般的でした。そこから、「ベンベー」や「ベンベ」といった愛称が生まれたようです。今となっては恥ずかしい呼び方ですが、ちょっと懐かしいと思う方もいらっしゃるのでは?

愛称があるのは人気の証

画像引用:https://with.bmw-japan.jp

これまで見てきたように、世界各地でBMWがそれぞれの地域の愛称で呼ばれているのは、とりもなおさずBMWが世界的なブランドカーとして認知され、人気があることの証でしょう。

BMWグループの2018年の世界新車販売台数は過去最高である249万664台を記録、その内BMWブランドだけに絞っても新記録となる212万5026台を売り上げるなど好調な販売を維持していることがその証明と言えるかもしれません。

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