MINIの日本累計販売台数が30万台に ライバル車と比較しその魅力を探る

2020年夏、MINI Victoria 5ドアを購入した人に、額縁に入ったMINIのイラストが記念として贈呈されました。実は、BMWグループの一員として2002年3月2日(ミニの日)に販売され始めたMINIは、今年の夏で累計販売台数が30万台を達成したのです。1994年にBMWが買収し2002年に販売を開始してから、わずか19年のことです。さらに、2016年から2019年まで外国メーカー車モデル別新車登録台数において4年連続で1位を記録し、2020年上半期でも1位をキープしています。はたしてMINIの何がここまでの人気を呼んでいるのか、今回はその魅力をライバル車と比較し探っていきましょう。

人気のMINIとライバル車たち

MINIといえばブリティッシュスタイルが目を惹くおしゃれなクルマとして、幅広い世代から認知されるほどに長い歴史を築いてきました。BMWに買収されるまでは小型車のイメージが強かったMINIですが、2002年からはBMWらしいエッセンスを取り入れた高機能かつデザイン性の高いクルマとして生まれ変わっています。

当初は、3ドアモデルのみのラインナップでしたが、屋根の開閉を可能にしたコンバーチブルを皮切りに、クラブマンやクロスオーバー、そして後席用のドアを設けた5ドアを追加し、現在の豊富なラインナップへと至りました。

もちろん、ここまで人気のラインナップを擁するMINIには、個性あふれるライバル車たちの存在があることを忘れてはいけません。今回は、3ドア、5ドア、クラブマン、コンバーチブル、クロスオーバーの代表的な5モデルと国内外のライバル車を比較しながら見ていきたいと思います。

永遠のライバル、フィアット500

画像引用:https://www.mini.jp

最初に見ていきたいのはスタンダードモデルともいうべき、3ドアモデル。このライバル車は「フィアット500」以外にないでしょう。

ブリティッシュスタイルとは異なる雰囲気をまとうフィアット500は、アニメ「ルパン三世」に登場するクルマとしても知られています。1957年に登場してからRR車(リアエンジン・リアドライブ)として愛され、2007年に新型フィアット500として販売されてからは女性を中心として日本でも高い人気を誇っている一台です。

なんといっても二台の共通点は、同じ丸目ヘッドランプという以上に、小型で操作性の良いクルマとして造られているということです。RR車という軽快な個性を貫いてきたフィアットとゴーカートフィーリングと呼ばれる独特の運転性能を大事にしてきたMINI。価格だけで言えば、フィアットのほうが50万円程安いのですが排気量は、3ドアモデルが1,498ccに対してフィアット500は875ccと差がついています。

さらに、3ドアモデルのトランク容量のほうが約25L大きく、家族で旅行に行く際にも楽々と荷物を積むこともできます。つまり、取り回しの良い大きさだけでなく、パワーや利便性という点で3ドアモデルが選ばれているのです。

ハッチバックのライバルは「フォルクスワーゲン ゴルフ」

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3ドアモデルに後席ドアを追加した5ドアモデルは、少しだけホイールベースも長くなるなど3ドアモデルよりも若干大きいことが特徴です。そして、5ドアモデルと比較されることが多いのがフォルクスワーゲンのゴルフです。

BMWと同じドイツ生まれのフォルクスワーゲン ゴルフは、ハッチバックタイプのクルマとして日本でも根強い人気があります。実は、MINIがBMWの一員となるまで輸入車新車登録台数で1位の座にいたのがゴルフなのです。

もともと、輸入車の中でも安価かつ低燃費でファミリーカーとしても使えるという万能性が評価され、日本人からも支持されてきたゴルフ。3ドアモデルに対しては、後部座席の使いやすさという点でゴルフとMINIの争いは均衡していたものの、5ドアモデルが販売されてからは一気にMINIへと世間の人気が集中していきました。

とくに、若いファミリー世代を中心に高いデザイン性が支持されたり、5ドアモデルとは思えないほど素直なドライブフィーリングを感じることができたりと、総合的に遊び心がある5ドアモデルに軍配が上がっています。

MINIクラブマン、ライバル車はまさかの「BMW 1シリーズ」

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MINIの中ではワゴンタイプという位置づけにあるクラブマン。その直線的なデザインと観音開きになっているバックドアが印象的な人気のモデルです。実は、そのライバル車として挙げられるのが「BMW 1シリーズ」です。

2019年10月に新型として登場した1シリーズは、クラブマンと同じプラットフォームを持っています。実際にサイズを比較してみると、クラブマンが全長4,275mm×全幅1,800mm×全高1,470mm。一方で1シリーズは、全長4,335mm×全幅1,800mm×全高1,465mmと1シリーズがわずか数センチだけ全高が低くなっています。ちなみに、ホイールベースも2,670mmと共通です。

また、搭載されているエンジンも同じものが使われているなど、もはや兄弟車と言えるほど共通点が多いクルマなのです。とはいえ、デザイン性が全く異なるのがBMWの工夫が凝らされていて面白いところです。

例えば、同じプラットフォームでクルマをつくるとなるとデザインが似てしまいますが、クラブマンは直線的でワイドな印象が強くなっています。一方で、1シリーズはBMWらしい流れるようなサーフラインやスポーティーさを前面に出したものになっています。

どちらが優れているかというと難しい判断ですが、観音開きのバックドアは荷物の出し入れがしやすく、大きい荷物も積みやすくなっています。また、後部座席をフルフラットにすることで1シリーズよりも積載量では有利になっているため、アウトドアシーンでも使いたいというニーズがある人にとってはクラブマンがオススメと言えるでしょう。

MINIコンバーチブルは唯一無二のモデルに

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次に見ていきたいのは屋根を開閉することができるコンバーチブルです。多くの人にとって憧れであるオープンカーとして、MINIのラインナップの中でも人気が高い一台となっています。

気になるライバル車ですが、コンバーチブルに限っては存在しないと言えるでしょう。何故なら、コンバーチブルのように普通車の中でも小型かつ屋根をフルオープンにできるクルマが存在しないからです。

強いて挙げるならば「マツダ ロードスター」が比較される対象になるかもしれませんが、4人乗りのコンバーチブルと2人乗りのロードスターでは設計・運用思想が異なっているため同じように比べることは難しいと言えます。

したがって、コンバーチブルは唯一無二のモデルとして、多くの人から支持されているのです。

MINIクロスオーバーのライバルは人気国産車

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最後に比べるのはクロスオーバーと「トヨタ C-HR」です。

ともにコンパクトSUVと呼ばれており、日本においては多くの人気車ランキングでも上位に食い込むほどの実力車です。外観のデザインは全くと言っていいほど異なっており、クロスオーバーがホリゾンタルな印象が強い一方で、C-HRは曲線的でトヨタ車らしい意匠に仕上がっています。

このデザインの違いは積載量にも影響しており、クロスオーバーはリアゲートが直線的な分だけ荷室は広くなっています。一方で、C-HRの開口部は広いものの荷室自体はコンパクトになっています。

また、SUVで外せないエンジン性能でもクロスオーバーに軍配が上がります。クロスオーバーの中でも人気のクーパーSD ALL4では、2.0L直列4気筒エンジンをベースに最高出力190PSをマーク。対するC-HRは、1.2Lターボエンジンで最高出力が116PSと、比較してしまうと物足りない印象となってしまっています。

とくにコンパクトSUVでは、キャンプや釣りなどアウトドアシーンでも使いやすいことが重要視されるようになってきており、そこにプラスαの面白さを感じることができる走行性能やデザイン性という点でもクロスオーバーは人気なのです。

まとめ

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今回はライバル車と比較しながらMINIの各モデルを見てきました。どのモデルにも共通して言えることは、個性豊かなデザインと性能が盛り込まれているということです。

クラシックMINIの伝統的なデザインを踏襲しながらも現代風になっており、走行性能もゴーカートフィーリングを軸に置きながら走る楽しさを追求する姿勢を見せています。このような点で、数多くのライバル車を退けることで、わずか19年で累計販売台数30万台を達成することに至ったのです。

ぜひ、あなたもお店やホームページから、ライバル車たちに負けない個性豊かなラインナップをその目で確かめてみてください。

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