「新しいバイクが欲しいけれど迷っている…」「乗り換えるならどのメーカーが良いのだろう…」という人も少なくないかもしれません。実は日本のバイクメーカーはヤマハやホンダなどの主要メーカー以外にも、小規模のメーカーまで合わせると膨大な数が存在しています。さらに海外には日本以上の数のメーカーが存在しており、その総計は枚挙にいとまがないほどです。その中から自分にピッタリな一台を探し出すことは非常に難しく、とくにバイク選びに慣れていない人にとってはどこから手をつけて良いか分からないことでしょう。もちろん、各メーカーとも特色のあるバイク造りをしているのですが、とりわけ強いこだわりを見せているメーカーがBMW Motorradです。
その名前のとおり世界的自動車メーカーであるBMWの二輪車部門であり、1923年から続いているバイクメーカーの老舗でもあります。クルマでは高級車としてのイメージが強いBMWですが、バイクにおいてもニーズに合わせた数種類のタイプを幅広い価格帯で展開しています。そのため、初心者からプロまで幅広いバイク乗りに人気の高いメーカーであり、愛用者は世界中に存在しています。
そのように人気の高いBMWだからこそ、バイク選びに迷っている人にオススメできる理由がいくつもあるのです。今回は5つに厳選してBMW Motorradを選ぶべき理由を紹介していきたいと思います。
1.長い年月に裏づけられたクオリティ
BMW Motorradの良さを語る上で外せないのが、バイクメーカーの中でも古参であるということです。そのルーツは第一次世界大戦において航空機のエンジンを製造していたことにまで遡ることができ、このエンジン製造技術によって1923年に最初のバイクである「R32」が製造されることとなりました。
そして、なんといっても2020年の現在まで創業当時の技術を研鑽し続けることで、基本的なレイアウトはそのままに独自の高い技術力を活かしたバイクを数多く世に送り出しています。創業当時から基本的な設計思想を変えないメーカーは意外と少なく、エンジン開発にルーツをもつBMW Motorradだからこそ他メーカーに模倣できない独自のエンジンとレイアウトを維持し続けられるのです。
また、激動の時代を生き抜いてきたBMW Motorradだからこそ、数多くのアマチュアやプロに愛され続けているという事実もあります。2020年1月に発表された2019年度の総販売台数は、前年比5.8%増となる17万5,162台。なんと、9年連続での販売記録更新となりました。世界中でバイク需要が低迷する中で9年連続での販売台数増加というのは、それだけ多くの人から愛されているという証拠でもあると同時に新しく購入するバイクにはBMW Motorradを選んでいる人が多くいるという事実でもあります。
2.多くの人を魅了する独自のエンジン技術
これだけ多くの人がBMW Motorradを選ぶ理由の1つに、創業当時から脈々と受け継がれている独自のエンジン機構が存在します。
前述したように1923年に「R32」が製造されて以来、BMW Motorradの代名詞といえば「ボクサーエンジン」と言われるほどに有名なエンジン技術を有しているのです。日本語では”水平対向エンジン”とも呼ばれている技術で、一般的にエンジンのクランク軸を車体に対して横置きにするところを縦置きに。これだけでなく、ミッションやクラッチといった機構を全てエンジンケースに入れ込めるよう小型化を図りました。その結果、ボクサーエンジンは従来のエンジンにはない小型で低重心というメリットにより、コーナリング性能や操縦性を飛躍的に向上させることにつながったのです。
この説明で勘の鋭い人はお気づきかもしれませんが、実はこの小型で操縦性に優れるエンジンというものは航空機には欠かせない技術です。つまり、第一次世界大戦で航空機向けのエンジンをつくっていた技術を、うまい具合にバイクのエンジンにも応用して生まれたのがボクサーエンジンなのです。そのため、ボクサーエンジンは空冷式エンジンとなっており、後に販売される大出力の水冷式エンジンにスピードという点では劣ってしまいます。
しかし、それでも現在までボクサーエンジンが根強く支持されているのには、ある理由があります。それは、競技会やラリーレースといったモータースポーツの世界で活躍できるだけの、走破性を有していたからです。
3.モータースポーツの世界でも華々しい活躍
BMW Motorradのボクサーエンジンを支持する人の中には、往年の輝かしい戦績を覚えているという人も少なくないでしょう。「R32」の開発に成功すると、出力を向上させた「R37」というレース用モデルを発売。これをイギリスに持ち込み「ISDT(現在のFIM ISDE)」という世界一過酷なレースに参戦しました。
舗装された道路はもちろんのこと未舗装の山路やタイムトライアル、その上修理や補給はライダー本人にしか認められていないという内容です。ドライバーの資質はもちろんのこと、どのバイクに乗るか選択をする時点から勝負が始まっているため愛車選びは全ドライバーが慎重になるものでした。
そこに突如として現れた「R37」は初参戦ながら優勝を勝ち取り、全世界にその名前を轟かせたのでした。なんといってもボクサーエンジンの低重心かつ縦置きという特異性によるハンドリング性能と軽量さで悪路を捉え、舗装された路面でも安定感を持って走ることができたのです。そこからヨーロッパ各地で開催されるレースでは軒並み優勝を飾り、BMW Motorradのボクサーエンジンを搭載したマシンを愛用する人が増えていきました。
現在でもBMW Motorradは多くのレースに参加しており、ボクサーエンジンを搭載していないモデルも活躍しています。とくに、モータースポーツにおいては基本的に市販モデルをチューンアップすることが多いため、市販モデルの完成度が高くなければなりません。そのため、昔からモータースポーツで活躍しているBMW Motorradは市販車の完成度も高く、アマチュアレースや競技会に参加したいと考えている本格志向な人にとってもオススメできるのです。
4.幅広いラインナップで選びやすい
誰でも気軽に乗れる「 C400 X」
モータースポーツにも使える一方で日常的な街乗りをメインに考えている人にとっては、性能だけでなく利便性を重視しているのではないでしょうか。
実はBMW Motorradではモータースポーツだけでなく日常的に使いやすい、日本ではスクーターと呼ばれるような規格のバイクもラインナップしているのです。Urban Mobility(アーバンモビリティ)と名づけられたラインには、いわゆる街乗りをメインとしているのですが、デザイン性はスポーティーなものが多く取り揃えられています。とくに、「C400X」はUrban Mobilityラインで最安値の86万5,000円から購入することができるのにも関わらず、他メーカーの同クラスモデルと比較してもデザイン性だけでなくハンドリング性能が良く、オプション装備も豊富などBMW Motorradらしさが詰まった一台となっています。
他にも高機能モデルもあるため、スクーターという規格でも自分に合った一台を必ず見つけることができるでしょう。
5.ライダーのことを考えた安全性
バイクに乗る上では、排気量や規格を問わずに事故やケガなど多くのリスクを抱えていることを忘れてはなりません。とくに、クルマとは異なりフレームで自分自身が守られていないために、事故を防ぐだけでなく事故が起きた直後の安全性。その両方が重要視されています。
BMW Motorradでも安全性については熱心に研究開発を重ねており、独自規格のヘルメットやジャケットなどの装備品も生産しています。また、世界で初めてとなるABS搭載車はBMW Motorradが開発したもので、現在ではBMW Motorradのバイクでは標準的な装備となっています。とくに新車で購入した際は、公式のメンテナンスサービスで走行距離に応じた点検を受けることができるなど、購入後も安心が長く続くことが特徴といえます。
今回はBMW Motorradを選ぶべき5つの理由ということで紹介してきましたが、5つでは収まりきれないほど多くの魅力が詰まっているメーカーがBMW Motorradです。バイクに求めるものは人によって違うものの、きっとBMW Motorradにはそれに応えてくれる一台があることでしょう。ぜひ、あなたもBMW Motorradで新たな相棒を探してみてはいかがでしょうか。