年が明けても冬の寒さは続きますが、ふと周囲の木々に目をやると蕾をつけたものが多いことにも気がつきます。そして、3月になると“桜前線”という言葉をあちらこちらで見かけるようになります。これは、日本各地の桜の開花予想日を結んだ前線のことを指しており、テレビで見かけることも多いと思います。基本的には温暖な南の地域から北にむかって開花していくため、この順番に開花していく桜を追いかける人も多いものです。
もちろん、飛行機や電車で桜前線を追いかけるのも楽しいですが、桜の名所は山の中などにもあるためクルマでのアクセスが一番便利です。キャンピングカーのような大型の車種も便利ですが、狭い道でもスイスイと進んでいくコンパクトカー並みのサイズ感が利便性も高く人気です。さらに、長距離のドライブとなるとガソリン代も気になるため、電気自動車を検討する人もいるのではないでしょうか。そこで、今回はBMWの電気自動車「i3」で、どこまで桜前線を追いかけられるのか?というテーマで見ていきたいと思います。
鹿児島県から北海道まで「i3」で走り抜けられるのか?
電気自動車の一番のネックとも言えるのが、航続可能距離です。ガソリン車の場合は、全国にあるガソリンスタンドで気軽に燃料を補充することができるだけでなく、燃費効率の良いハイブリッド車などでは電気自動車以上に長距離を走行することも可能です。
しかし、電気自動車は燃料費が安く航続可能距離も飛躍的に伸びているものの、充電をする場所が少ないこととフル充電までの時間が長いという懸念材料が挙げられます。そのため、桜前線を追いかけるドライブでは充電スポットと充電時間の2点を十分に考慮した上で、旅の計画を立てる必要があるのです。旅のスタート地点でもある鹿児島市からゴール地点の稚内市まで直線距離にして、およそ1,800㎞。しかし、実際は一般道と高速道路を使って行かなければならないため、およそ2,600㎞の道のりとなります。一方で、BMW i3の航続可能距離は約290km、レンジエクステンダー(電気自動車の航続可能距離を伸ばすための、小型発電機からなるパーツ)を装着すると約466㎞の走行が理論的には可能です。
そこで、今回はレンジエクステンダーを装着してフル充電で約450km走行できると想定した上で、桜前線を追いかけられるのか見ていきたいと思います。
まず、鹿児島市から稚内市までの約2,600kmの道のりには、単純計算で約5.8回分の充電量で到達することが可能です。つまり、鹿児島市から稚内市までの間に6回のフル充電さえ可能なら、十分にたどり着くことが可能という計算になりますが、果たして何回の充電で桜前線を追いかけられるのでしょうか。
桜の名所を巡りながら北上
まず、どのようなルートで北上していくか考えてみましょう。スタート地点でもある九州地方では、鹿児島県「忠元公園」と熊本県「一心行の大桜」、福岡県「勝山公園」を観ながら中国地方へと走り抜けていくのはいかがでしょうか。鹿児島市から熊本側へと北上する途中に位置する「忠元公園」は、“さくら名所100選”にも選ばれた千本桜を楽しむことができます。そして、樹齢600年の一本桜が美しい「一心行の大桜」を見ると熊本市内から九州自動車道へ乗り、福岡県の勝山公園を目指します。鹿児島県から福岡県までの移動と考えると一泊しなければならない?と考える人もいるでしょうが、時間にして約4時間半もあれば九州を縦断することが可能なのです。
そして、同じく“さくら名所100選”に選ばれた勝山公園で桜と小倉城のコラボレーションを楽しんだ後は、中国・四国地方の横断に向けて勝山公園近くのEVスタンドでフル充電をしておきましょう。福岡県「勝山公園」までは鹿児島市から約330kmとバッテリーには少し余裕がありそうですが、次の目的地までは遠いために余裕を持っておくことをオススメします。また、BMW i3はAC(交流)なら12時間で100%、DC(直流)ならわずか50分で80%の充電が可能(DC充電の場合は環境に大きく左右され、100%到達には1時間~2時間ほど必要)なため、充電方法によっては宿泊しながら充電を行うといった方法もオススメです。
中国・四国地方では、広島県「神原のしだれ桜」や愛媛県「城山公園」、兵庫県「おの桜づつみ回廊」を目指してドライブに行くのはいかがでしょうか。とくに、中国・四国地方は地域として広いために桜前線を追いかけるには、温暖な気候である瀬戸内側のルートを通ることをオススメします。また、広島県から愛媛県、兵庫県へと抜けるルートでは約500kmの道のりになるため、愛媛県の道後温泉などで充電を兼ねた宿泊をとるほうが良いでしょう。
関西以北はルート選びにも注意
関西までは大きな都市も多く、比較的どのルートで走行しても大きく逸れることがなく充電スポットにも困ることはないでしょう。しかし、関西以北から稚内市までのルートは選択肢が多く、どのルートを選択するかによって充電回数や日数などが大きく左右されてきます。春先とはいえ日本海側の都市は雪が残っているところも多いですが、BMW i3のトルクパワーならば冬用タイヤを履くことで通常のドライブで支障をきたすことはありません。
そのため、兵庫県「おの桜つづみ回廊」に立ち寄った後は京都市内で充電を兼ねた宿泊をし、距離的にも短くなる日本海側のルートを目指すことをオススメします。とくに、京都市はエコ活動の推進にも力を入れているため充電スポットも多く設置されているだけでなく、桜の名所と呼ばれている寺社仏閣が多いことからもBMW i3で桜前線を追いかける旅にはピッタリの休息地となることでしょう。
そして京都市を出発してからは、福井県「足羽川の桜並木」や富山県「八尾千本桜」、新潟県「桜公園」などに立ち寄りながら稚内を目指すことができ、北陸特有の美しい景観と桜のコラボレーションは旅の良い思い出ともなるでしょう。しかし、京都市から福井県の「足羽川の桜並木」に立ち寄り富山県「八尾千本桜」までの道のりは約340km、そこから新潟県「桜公園」までには約300kmを走り抜ける必要があり、北陸地方を一気に駆け抜けることは計算上出来ません。
そのため、充電スポットの多い富山市内で充電を兼ねた宿泊を行うことをオススメします。首都圏や大都市と異なり地方の充電スポットは県庁所在地を中心に点在していることが多いため、桜前線を追いかけるようなロングドライブでは、多少の余裕があったとしても充電スポットを見つけたら積極的に充電を行うことがトラブル回避の助けとなることでしょう。
ゴールの稚内市へ、寒さや雪もBMW i3なら問題なし
新潟県を通過すると山形県や秋田県、そして青森県「弘前公園」が見えてきます。新潟県からでは約390km走行することとなるため、北海道へと渡る前に一度充電をしておきましょう。そして、今回の旅では最後の桜を見ることとなる北海道「東明公園」まではフェリー区間を除いても約410kmあるため、札幌市内で充電をしておくと良いでしょう。ここまでくると札幌市から稚内までは約300km、ゴールはもうすぐです。ただし、問題となるのは首都圏とは異なる気候条件です。道路脇を中心に雪が残っているだけでなく、朝晩の冷え込みが激しいと路面が凍結する恐れもあります。その中で運転をするというのは非常に心配なことだと思いますが、BMW i3ならドライバーを支えてくれる様々な機能があるため安心です。
例えば、「BMW i ConnectedDrive機能」を使うことで、乗車前にスマートフォンから室内温度を調節しておくことが可能です。また、BMWらしい低重心設計とモーターのトルクパワーによる力強さが組み合わさることで、凍結した路面でもスリップせずに走ることができるのです。このように頼もしいBMW i3なら安心してゴール地点である稚内にたどり着くことができ、本土最北端の地に来たという最高の思い出を胸に旅を終えることができるでしょう。
BMW i3なら南から北まで走り抜けられる
このように、鹿児島市から稚内市まで充電を繰り返すことで電気自動車であるBMW i3でも十分に桜前線を追いかけることができるだけでなく、温暖な気候から雪が残る厳しい気候まで電気自動車特有のメリットを活かすことで快適にドライブを楽しむこともできます。そして、総走行距離である鹿児島県から稚内市までの約2600kmを、BMW i3は約7回の充電で走破することが可能ということも分かりました。
一方で、充電を繰り返しながら北上するためには、充電スポットを事前に把握しておく必要があります。そのため、BMW i3で桜前線を追いかけてみたいと考えている人は、利用できる充電スポットを確実にリストアップしておくことが大切です。
また、北陸や東北、北海道では冬用タイヤとチェーンの両方が必要となってくる可能性もあるため、用意しておくことをオススメします。そして、これらの準備をこなした上で、BMW i3という先進的な相棒と一緒に“桜前線”を追いかけてみてはいかがでしょうか。