BMWのBike(自転車)でも、“駆けぬける歓び”を体感!! 知られざるもう一つのBMWの顔

実は、海外のクルマメーカーでは、数多くのBike(自転車)が生産されているのをご存じでしょうか? いわゆる「ルック車」と言われる「スポーツバイク風」の自転車から、メーカーの威信をかけたブランドの象徴のような超高級車のスポーツバイクまで、まさに玉石混交の世界なのです。その中で、BMWはかなり昔から自転車を販売していました。Bikeの製造では、なんと約60年の歴史。ボディ素材の研究開発はクルマの製造に通じる部分があり、高い技術と専門知識が随所に活かされています。あのBMW M社の血統が入ったエキサイティングなモデルから、電動アシスト自転車タイプまで。今回はBMWのもう一つの顔、“駆けぬける歓び”を探っていきます。

所有欲を満たしてくれる海外クルマメーカーのBike

海外のクルマメーカーが生産しているBike(自転車)はいったいどれだけあるのでしょうか? 可能な限り調べてみたら、意外とあると言うか、相当な数があるようです。タイプ別に分けると、①ライセンス生産によってブランドのロゴだけを貸しているもの。②クルマメーカーが本気でBike造りや開発に携わっているもの、の2つに分類できます。完全に自社のオリジナルで開発しているものもあれば、有名な自転車部品メーカーとのコラボなど、その形態は様々です。

そぅ、①の分類なら「ハマー」「ルノー」「アルファ ロメオ」「ランドローバー」「ローバー」など…。価格で言うと5万円以下のクラス。街中のサイクルショップでもよく見かけたりしますね。片や②になると、「ブガッティ」「ランボルギーニ」「アストン・マーティン」「マクラーレン」「マセラティ」「アウディ」「レクサス」「フェラーリ」「ポルシェ」「ロータス」「ケータハム」「メルセデス・ベンツ」「ジャガー」などなど…。こんなにもあると言うか、相当数の海外クルマメーカーが生産しているのが実情です。

そして販売価格の方は? 下は25万円から、上はなんと450万円近くまで!! 100万・200万・300万円台は当たり前の世界、国産自動車が1台買えてしまう値段です。ちなみに、ベントレーやロールス・ロイスの超・超高級車メーカーのBikeは見当たりませんでした。まぁユーザー層を考えたら、当たり前のような気もしますが(笑)。でも何百万円まで、そんなに価格は高くなくとも、メーカーが本気を出して企画生産したものがBMWのBike。その意味では、他社メーカーとは、明らかに一線を画した「乗りもの」と言えそうです。

街中での視線を集める走り、BMW CRUISE BIKE.

しかしBMWのBike、通常のサイクルショップではあまり見かけません。その理由とは? それはBMWの正規ディーラーでしか購入できないから…。高級輸入車販売の店舗に、自転車だけを買いに行くのは、なかなかハードルが高そうです。つまりBikeマニアの間でも話題にのぼることも少ないという訳ですね。加えて、BMWのBikeは、単なる汎用の自転車にBMWのロゴマークを付けたものではなく、クルマやオートバイの技術開発で培った、本物のテクノロジーが応用されているのが大きな特色です。

画像出典:BMW BIKES & EQUIPMENT.

その代表格的なのが、「BMWクルーズ・バイク(BMW CRUISE BIKE.)」。軽量でダイナミックな走り。機敏性に富んだ、街中での使用にピッタリのロードバイクに仕上がっています。路面からの衝撃吸収性に優れた、肉厚ゴムのコンチネンタル製のタイヤ。パンク・プロテクション・テクノロジーに基づくセーフティシステムで、ガラスの破片など鋭利なものにも耐えることが可能。シフトシステムは、日本のシマノ製30 段変速シフトシステム、難しいルートや地形でも優れた乗り心地を約束。そして、洗練されたフレームデザインは、まるで一つの塊(ピース)から造られたような質感があるBikeです。

アドレナリンが湧き上がる、BMW CRUISE M BIKE.

BMWにおける「M」の呼称は、高性能スポーツの証です。BMWの研究開発やモータースポーツカー、チューニングパーツの製作を担当するグループ会社のクルマメーカーが BMW M。通称M社です。BMW CRUISE BIKE.を基本ベースに、機能性を向上させ、スポーティでスタイリッシュ、個性的なデザイン、最もエキサイティングなBikeに仕上げています。光沢のある艶を放つアルミ製のフレーム。赤の装飾入りイタリアのフィジーク製の革張りのサドル。日本のManitou製のフロントサスペンションフォーク。日本のシマノ製SLXのギアシステム。フロントとリアには、正確で優れた制動力を発揮する油圧ディスクブレーキを装着。そして、人間工学に基づいたデザインによる優れた乗り心地を実現。こうして見ると、日本メーカーとのコラボが目立ちますね。

画像出典:BMW BIKES & EQUIPMENT.

まるでM5の兄弟のような仕上がりの、スポーツマシン

BMW M5セダン、それは最高出力412kW(560ps)/6,000rpmを発揮する、V型8気筒Mツインパワー・ターボ・エンジンを搭載。究極のパワーとトルク&ダイナミズムが脈打つ、高性能のスポーティセダン。そのM5 セダンの特別限定色、抜けるような空の青さを表現した、マリーナ・ベイ・ブルーメタリック(Marina Bay Blue Metallic)をBikeのフレーム色に施したのが、「BMW M Bike Limited Carbon Edition」です。その独創的な塗装技術は、審美的な洗練を受け継ぐ、まるでM5セダンの兄弟と見紛うばかりの仕上がりです。

Bikeに搭載されたのは、最高品質のカーボンとアルミニウム部品。カーボン製のフォークとフレーム素材には、「ハイドロフォーミング成形」されたアルミニウムを採用。優れたダイナミクスと敏捷性を実現します。ハイドロフォーミングというのは、自転車用アルミフレームで近年採用され始めた製法です。油圧によりアルミパイプを中から押し出すことで求める形状を作り出し、複雑な形状部品の一体成形が可能。部品点数の省略や付加的な溶接が省略でき、加工硬化(金属の変形が進むにつれて硬くなり、強度を増していく現象)のメリットがあるのがその特長です。

主に街乗りがメインのクロスバイクでありながらも、最高性能のスポーツマシンとしての自転車の印象を醸し、高級スポーツセダン「M5 セダン」と同一カラーリングを採用した「BMW M Bike Limited Carbon Edition」。わずか500台の限定生産。 M5のオーナーなら、愛車と並べてガレージに置きたくなるのも納得です。

画像出典: BMW GROUP PressClub

電動アシスト自転車のActive Hybrid e-Bike

BMW社は、多くのクルマメーカーと同じように、電気自動車(Electric Vehicle)やプラグイン・ハイブリッド車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)の技術開発に、社運を賭け取り組んでいます。リリースでは、2020年からは、新型の電気自動車(EV)を大量生産。2025年までには、12車種のEVを含む、なんと合計25車種の「電動車」を投入する壮大な計画を発表しています。具体的には、2020年には、BMWブランド初の市販EVを、次期モデルの「X3」に設定。2021年には、BMW次世代EVの「ヴィジョンiNEXT」を投入する予定です。

しかしながら、BMWの電動化の構想はこれだけでは終わりません。その凄さの象徴として、2016年から「電動アシスト自転車」を開発し、2017年版の最新モデル「アクティブ・ハイブリッド eバイク(Active Hybrid e-Bike)」のパワーユニットには、現行BMWのハイブリッド車と同じ、BMW eDriveテクノロジーを随所に搭載。最高の効率と高い環境性能を、電動Bikeでも可能にしています。


映像出典: BMW Service-Kunde

細部に目を移すと、電動アシストBikeらしからぬ洗練されたデザイン。25km/h以下の速度で走行なら、一度の充電で約100kmもの航続走行が可能。ディスプレイからペダルアシストの強弱が調整可能。4種類から選べるパワーモードは、最大時では275%の出力が可能。乗り手を最優先したサドルデザイン。フロントヘッドライトにリアLEDインジケータを採用。加えて、スマートフォンと接続でき、充電にも使えるマイクロUSBポート&Bluetoothの搭載などなど…。まさに高品質で高級感あふれ、使い勝手に優れた「電動アシスト自転車」の究極版です。価格は? 3,400ユーロ(約43万円)。しかし、今のところは日本国内での扱いはなしとのこと、う〜ん残念…。


映像出典: BMW Deutschland
※2016年に投入された、BMW Cruise e-Bike.

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