BMWの最高グレード「BMW M8グランクーペ」の実力はいかに」

数あるBMWのラインナップでも最高グレードの証である”8シリーズ グラン クーペ”ですが、”M”の称号を冠して新たなステージへと踏み出しました。

2020年1月28日に販売されることとなったのが「M8 グラン クーペ」。一見すると最上級グレードの8シリーズに、サーキットチューンが得意なBMW Mが手掛けたモデルはどうなるのか?と思う人も多いかもしれません。しかしながら、その完成度の高さは圧倒的なまでに8シリーズの上質さを高めており、サーキット仕込みのスキルがエンジンや足回りで十分に活かされたハイパフォーマンスモデルへと生まれ変わっています。

まさにBMWのフラグシップともいえる「M8 グラン クーペ」について、その魅力や実力について深堀りしていきたいと思います。

グラン クーペは上質さの証


「M8 グラン クーペ」のCM映像

そもそも「M8 グラン クーペ」という名前を聞いても、いまいちピンとこないという人もいるのではないでしょうか。

実はこのネーミングには意味がしっかりとあります。M8は、BMW Mが手掛けた8シリーズで、グラン クーペというのが4ドアタイプのクーペのことを意味しています。では、このグラン クーペとはどういうものなのでしょうか。

2シリーズや6シリーズにもラインナップされているグラン クーペですが、一般的なクーペと比べて大きなフォルムが特徴といえます。クーペタイプは流線型の洗練された印象を与えるフォルムが人気ですが、どうしても構造上の都合で居住スペースやラゲッジスペースが狭くなってしまいます。そのため、クーペタイプはスポーツモデルや2シーターといった設定のモデルが大半を占めているのです。

一方で、セダンタイプは長方形に近いフォルムから居住空間を確保しやすく、ラゲッジスペースも十分に広いものが多くあります。このセダンタイプとクーペタイプの良さを取り合わせたものこそが“グラン クーペ”であり、クーペの洗練されたフォルムとセダンの居住性の高さを兼ね備えています。そのため、前述したようにグラン クーペでは4ドアクーペとすることで車体を大型化しながらも、後部座席にも人が座れるだけの余裕が生まれるなど幅広いニーズを満たすことのできるのが“グラン クーペ”なのです。

サーキット仕込みの実力は健在

BMW Mの証であるイニシャル
画像引用:https://www.bmw.co.jp

“M”というイニシャルを冠しているモデルは、BMW Mの手が加わっていることを表しています。つまり、BMWがサーキットで長年培ってきた技術を活かしたチューンアップやドレスアップを施したクルマ。それこそが、”M”を冠した「M8 グラン クーペ」最大の特徴なのです。

「M8 グラン クーペ」は、最高出力600PS/6,000rpm、最大トルク750Nm/1,800-5,860rpmとBMWのラインナップでも最高品質ともいえる4.4L V8ツインパワーターボエンジンを搭載しています。トランスミッションにはパドルシフト8速ATが設定されており、駆動方式は4WDとなっていますが「M xDrive」が搭載されているところがポイントとなります。この「M xDrive」は電子制御で4WDをコントロールするというものですが、タイヤ毎にトルクや駆動配分を自動的に設定してくれるという優れた機能をもっているのです。

さらに、基本の4WDを拡張した“4WD SPORTモード”以外にも、BMW伝統のFR駆動を味わうことのできる“2WDモード“にも切り替えることができます。そのため、4WDメインのBMWは避けていたという人にとっても、“M”オリジナルの「BMW M xDrive」によってFR駆動でも最適なパフォーマンスが発揮された走りを楽しむことができるのです。

走りだけじゃない上質さ

上質なフルレザーが施されたインテリア
画像引用:https://www.bmw.co.jp

8シリーズはBMWの中でもフラグシップモデルとして位置づけられており、通常ラインナップのモデルでも十分な性能と上質なインテリアが設定されています。

一方で「M8 グラン クーペ」では高性能なエンジンやサスペンション機構とチューンアップされているため、走りを重視して乗り心地やインテリアなどでは上質さがなくなっているのでは?と心配される方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

冒頭で述べたように全長5,105mm×全幅1,945mm、ホイールベース3,025mmという別格の大きさから居住スペースの確保はもちろんのこと剛性自体も高くなっているため、むしろ走行時の安定性に関しては性能が上がっているのです。

インテリアでも上質さを失っておらず、例えばハンドルやタコメーターなどが集約されているインストゥルメンタルパネルは「BMW 8シリーズ クーペ」と共通の設計になっていますが、最上級モデルらしくほとんどのインテリアが上質なレザーで覆われています。

上質感とスポーティーさを兼ね備えたシート部分
画像引用:https://www.bmw.co.jp

さらに注目したいのが「M8 グラン クーペ」のコンペティションモデルです。これは、装備をより上質にしたモデルなのですが、なんとシート部分には「フル・レザー・メリノ シルバーストーン」という特別なレザーが使用されています。この特別なレザーはBMW専用の牧場で育てられたものからつくられており、BMWの最上級モデルの中でも限られたものにしか設定されていません。それだけに「M8 グラン クーペ」というモデルがBMWの中でも特別視されている、上質なフラグシップモデルということが分かります。

上質さは最先端装備にも表れる


ステアリング&レーン・コントロール・アシストについて

最上級モデルらしいこだわりはインテリアだけでなく、BMWが力を入れている最先端装備にも表れています。

例えば、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)はもちろんのこと、車線逸脱を知らせてくれる“レーンチェンジ・ウォーニング”や“レーンチェンジ・アシスト”が標準装備としてついています。とくに、ACCや車線逸脱に関する機能は一般的になってきているとはいえ、グレードが低いモデルにはまだまだ装備されていません。
また、これらに加えて“ステアリング&レーン・コントロール・アシスト(道路から車体がはみ出さないように、走行中に支援してくれる機能)”、“サイド・コリジョン・プロテクション(車体の前後左右4つに装備されたセンサーで車両側面の交通状況を監視し、ステアリング操作に介入することで異常接近車を回避支援する機能)および衝突回避・被害軽減ブレーキ”までもオプションではなく標準装備として付いてくるのです。とくに、クルマでの事故やトラブルがニュースなどでも連日報道されている中で、「M8 グラン クーペ」のようなボディサイズが大きなクルマを運転するドライバーにとっては頼もしい存在となることでしょう。


ハンズ・オフ機能で快適に

また、なんといっても目玉の機能が“リバース・アシスト(走行ルートを最大50mまで記憶して、同ルートを自動で後退する機能)”や“ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能(高速道路における渋滞時に、ステアリングから手を放した状態で走行できる機能)”の2つではないでしょうか。

ともに「BMW 1シリーズ」の販売に合わせて導入された最新技術であり、BMWのグレードが高いモデルでも搭載しているものは多くありません。そのような中で最上級モデルである「M8 グラン クーペ」に、標準装備としてほぼすべての安全機能が備わっているのは嬉しいポイントです。

まとめ

画像引用:https://www.bmw.co.jp

今回紹介した「M8 グラン クーペ」を振り返ってみると、装備やインテリア、エクステリアなどすべてにおいて妥協している点がないことが最大の特徴と言えます。つまり、BMWが自らのブランドを代表するフラグシップモデルとして、心血を注いでつくり上げたのが「M8 グラン クーペ」なのです。もちろん、すべての人が気軽に買えるモデルではないですが、BMWユーザーだけでなくクルマが好きな人の憧れの一台と言えます。

ぜひ、「M8 グラン クーペ」に乗る機会があったら、BMWのすべてが詰まった走りやスタイルを体感してみてくださいね。

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