バイクと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、モータースポーツの世界で活躍しているスポーツタイプや峠を楽しむツーリングタイプではないでしょうか。どちらも各メーカーのラインナップの多くを占めているだけでなく、レースの模様はテレビや雑誌で取り上げられるなどバイクに乗らない人にとっても親しみのあるものだと思います。
そのためか、バイクを語る上で意外と忘れてしまいがちなのが“スクーター”と呼ばれているジャンルです。実は、スクーターのような日常生活に適したモデルというものは、ユーザー層も多様であり価格も抑えられているものが多いことから、多くのメーカーにとって重要視されているジャンルでもあるのです。
それゆえに差別化を図ろうとデザイン性だけでなく、スペックについても独自のこだわりが詰まっている個性的で面白いモデルが数多くラインナップされています。とくに、BMW Motorradはスクーターと呼ばれているジャンルを”アーバンモビリティ”と名づけており、他メーカーとは異なる進化を遂げたものがラインナップされていることが特徴と言えます。
アーバンモビリティとは何か?
では、日常生活に適した”スクーター”というジャンルをあえて”アーバンモビリティ”とした、その狙いはどこにあるのでしょうか。
「跨るだけで、ストリートライドに身を託し、渋滞も喧騒もどこ吹く風。立ち止まるのも走り出すのも、思いのままに。(中略)都会のコミューターとしての機能は究極。」と公式ホームページでは紹介されています。他モデルと比較して、街中で乗っているときには最も自由に走ることができるモデルであるということが書かれており、いわゆる“スクーター”と呼ばれているジャンルの中でも特別であるということを感じることができます。
つまり、BMW Motorradは“アーバンモビリティ”と名づけることでスクーターというジャンルに新たな価値を見出し、同社にしかできない個性的なモデルをラインアップすることで他メーカーと差別化を図っているのです。このことは公式ホームページのラインアップを見てもらうと一目瞭然ですが、機能性の異なるものが用意されているようにBMW Motorradらしい技術力が詰め込まれているのです。
また、価格帯も約86万円~約159万円と幅広く設定されているおかげで、より幅広いユーザーに認知してもらい使用してもらうという戦略も見えます。
バラエティ豊かなラインナップと性能
例えば最も低い価格が設定されているのが「C400X」というモデルです。現在ラインナップされている“アーバンモビリティ”全タイプの中でも新しく、“シティライフを楽しもう”というコンセプトがうまく反映されています。
「今やアーバンモビリティと言えば、単なる移動手段の選択肢のひとつに納まらない。目まぐるしく変化する日々の中で、思うままに立ち止まり、その街のあらゆることを楽しみたい。C 400 Xはそんな願いを叶えるスクーター」 参考元:https://www.bmw-motorrad.jp/ja/models/urban_mobility/c400x.html |
とあるように、BMW Motorradにおける“アーバンモビリティ”のジャンルを体現するようなベーシックモデルに「C400X」は位置づけられています。
一般的なスクーターよりも堅牢かつデザイン性の高いボディが特徴的であり非対称のLEDフロントライトを含むベースに、“BMW Motorradコネクティビティ”と呼ばれているオプションを追加することで、スマートフォンとBluetoothで接続しながら音楽を楽しみ、仲間の居場所を把握することができるなど先進的な機能性も兼ね備えていることが分かります。
一方でその先進性をさらに突き詰めていったモデルが「C evolution」と名づけられた、“電動マキシスクーター”です。BMW Motorradは「C evolution」を”未来のアーバンモビリティ”と紹介しているように、排気ガスを排出せずに航続可能距離160kmを確保しているという点がポイントです。
また
「未来的なルックスで、一目でBMW MotorradのモデルとわかるC evolution。LEDライト類や大型TFTディスプレイが技術的な先進性を強調するとともに、インパクトのあるスプリットフェイスがBMW Motorradファミリーの一員であることを明確に表しています。」 参考元:https://www.bmw-motorrad.jp/ja/models/urban_mobility/cevolution.html |
と紹介されているように、単純なスクーターという枠に収まりきれない性能が外観からも分かるように設計されています。
そして、BMW Motorradの”アーバンモビリティ”におけるフラグシップを担っているのが「C650GT」というモデルです。
「BMW Motorradが送り出す、最もエクスクルーシブで革新的なマキシスクーターです。(中略)大きなフェアリング、ゆったりとした高品質のシート、充分なサイズのウインドシールドにより、天候や距離を気にすることなく、いつでも快適に走り出せます。」 参考元:https://www.bmw-motorrad.jp/ja/models/urban_mobility/c650gt.html |
とあるように、“アーバンモビリティ”の他モデルと比較して十分な装備が付与されていることからも“ツーリングにも使えるモデル”としても人気が高いです。
また、最高出力60PSで最高速度180km/hを生み出す水冷並列2気筒エンジンが搭載されているおかげで、ロングツーリングはもちろん本来の街中を走り抜けるという用途にも適しているモデルなのです。
他ジャンルへの橋渡し役も
このように市街地を走行するという目的だけでなく、ツーリングも可能とした“アーバンモビリティ”は何を目的としているのでしょうか。
1つは、冒頭で述べたように他社との差別化を図るためです。このジャンルで他メーカーに対して大きなイニシアチブを取ることができると、BMW Motorrad全体の繁栄にもつながるからです。
そしてもう1つは、この“アーバンモビリティ”を足掛かりとしてBMW Motorradの他ジャンルバイクに乗って欲しいという狙いもあります。もちろん、スクーターが日常的に必要という人もいる一方で、スクーターはバイクの中でも入門的位置づけにあるジャンルです。それはユーザーを選ばない乗りやすさと汎用性があるからです。つまり、前述したような個性豊かなモデルが揃う“アーバンモビリティ”に乗ってもらうことで、“もっとツーリングに特化したモデルが欲しい”や“オフロードを走り抜けてみたい”という気持ちを持ってもらい乗り換えてもらうという狙いもあるのです。
つまり、“アーバンモビリティ”はBMW Motorradの他ジャンルへと橋渡し役を担っており、将来のコアユーザーを多く獲得するという目的でも設定されているのです。
新たな可能性をみせてくれる“アーバンモビリティ”
このように、BMW Motorradが独自に位置づけている“アーバンモビリティ”というジャンルは、スクーターという日本人にとっても馴染みの深いバイクの可能性を開拓してくれる存在です。入門モデルからツーリング、電動モデルとBMW Motorradが誇る技術力の高さを詰め込んだ個性豊かなモデルは、手軽にバイクの楽しさを味わせてくれます。BMW Motorradが私たちに提示してくれている”アーバンモビリティ”という新しい可能性は、次なる未知のモデルやジャンルを開拓する重要な礎となっているのです。もし、日常的に使えて汎用性が高く、何よりも個性的なバイクが欲しいと思ったときにはBMW Motorradの”アーバンモビリティ”を手に入れてみてください。それはきっと、選んだ人を楽しませてくれる一台になることでしょう。