MINIがミニでなくなった!? 3ナンバーのビッグなMINIになって、税金が高く なったりして…

「えっ!? MINIって、いつから3ナンバーになっていたの?」。「エンジンの排気量が大きくなって、3ナンバーになったのかなぁ…」。「3ナンバーのMINIだと税金や維持費が高いから、5ナンバーの認定中古車を探そうかなぁ…」。「3ナンバーサイズで、MINI史上最も大きいクロスオーバーだと、ワタシには取り回しが難しくて、運転しづらいかも…」。

クラシックミニの時代から、新生BMW MINIにバトンタッチ。個性あふれるMINIの車種が続々と増えてきて、さらにマイナーチェンジを繰り返しているTHE NEW MINIですが…。次々とモデルチェンジをしたのも束の間、いつのまにか3ナンバー車になって、税金や維持費の問題が何かと不安…。こんなお悩みをお持ちの方も意外と多いのではないでしょうか? 実際にディーラーに来られたお客様から、MINIが3ナンバー化だなんてビックリ!! 聞いていないよぉ、と困惑されることも多いようです。ひょっとしたら、あなたも同じように思ってはいませんか? そこで今回は、3ナンバー車と5ナンバー車の区分けやその実情を分かりやすく解説。そぅ、あなたのMINIの概念がきっと変わりますよ。

「3」と「5」の区分けは、サイズと排気量で決まる

クルマのナンバープレートで、地域名(横浜など)の右側にある分類番号が、300番台か、500番台かの違いで、3ナンバー車か5ナンバー車を判別することができます。「道路運送車両法」において、3ナンバー車を「普通乗用自動車」、5ナンバー車を「小型乗用自動車」に分類します。なんとなく3ナンバー車って、大きくて、高級そうなクルマの印象がありますよね。では3ナンバー車と5ナンバー車は、どうやって決められるのか、気になりませんか?

それは、外観のボディサイズ(dimension:ディメンション)で決まります。ディメンションとは、車両サイズの各寸法のこと。全長に加えて、全幅や全高、ホイールベースといった部分の寸法も、ディメンションとしての測定対象に含まれます。でも、「3」と「5」の分かれ目は、長さ・幅・高さ、そしてエンジンの総排気量だけなのです。

❶ 長さ(全長):4.7m (4,700mm)以下
❷ 幅(全幅):1.7m (1,700mm)以下
❸ 高さ(全高):2.0m (2,000mm)以下
❹ 総排気量:2,000cc以下

上に記載したのは、5ナンバー車となるサイズの数値です。この4つのどれか一つでも基準値を超えれば、それは5ナンバー車ではなく、3ナンバー車になってしまいます。例えば、車両サイズが5ナンバー車の基準値内であっても、ガソリンエンジンの総排気量が2,000ccを超えていれば3ナンバー車となり、たとえエンジンの総排気量が1,000ccでも、全幅が1.7m(1,700mm)を超えれば3ナンバー車になります。※ただしディーゼル車の場合は、総排気量の制限がなく、どんなにディーゼルエンジンが大排気量でも、車両サイズさえクリアすれば、5ナンバー車として認められています。

あんな小さなMINIなのに3ナンバー車とは摩訶不思議? 一体どこの数値がオーバーしているのでしょう? それは、❷の幅(全幅)です。MINI 3ドアの全幅は、1.725m(1,725mm)になります。5ナンバー車より、たった25mmだけ横幅がはみ出ていた訳ですね。ちなみに欧州のコンパクトカーは、前輪部分を覆っているフェンダー部分が、オーバーフェンダーぎみにデザインされている場合が多く、全幅がサイズオーバーになり、3ナンバー車扱いという車種が多いようです。

画像出典 BMW Japan THE NEW MINI3door

画像出典 BMW Japan THE NEW MINI3door

画像出典 BMW Japan THE NEW MINI3door

 

1989年の自動車税改正で一気に変わった3ナンバー

今から約30年前までは、3ナンバー車と5ナンバー車の税制格差は確かに存在しました。3ナンバー車は、とにかく贅沢品。エンジン排気量は大きく馬力があり、スピードもかなり出ます。装備類も豪華で、ゴージャスかつデラックスな雰囲気を醸し出していました。さしずめ、お金持ちの社長か、クルマ好きのマニアたちが、ステータス感と贅沢感を味わいたいクルマのイメージだったようです。ちなみに改正前は、小型乗用自動車が年額39,500円、3ナンバーの普通乗用自動車になった途端に、81,500円へ一気に跳ね上がってしまいます(ヒェ〜、これは痛い)。なので、気軽に3ナンバー車を買える風潮ではありませんでした。

そして、この悪しき制度を一変させたのが、アメリカ経済の圧力。「自動車税改正」に踏み切ったその大きな理由とは? 日本はバブル景気のまっただ中でした。海外貿易で儲け過ぎていた日本に対し、国内で外国車が売れないのは、自動車税のせいだ!! と海外から一斉批判されたのが、その大きな理由です。この税制改正により、ナンバーによる課税額の差はなくなり、エンジンの総排気量に応じて段階的に決められるようになりました。3ナンバー車と5ナンバー車のサイズ枠は、事実上なくなってしまったのが、その実情という訳です。

生まれた時には5ナンバー車だったMINIの変遷

クラシックミニの時代から、新生BMW MINI(第1世代)になった時も、実はMINIは5ナンバー車でした。すべて数値が規制の中に入るので、基本的には第3世代MINIまでは、5ナンバー車のままでした。

❶ 第1世代MINI(2002年〜国内発売)
❷ 第2世代MINI(2007年~国内発売)
❸ 第3世代MINI(2014年~国内発売)
❹ 第3世代MINI(2018年3月マイナーチェンジをし、3ナンバー化)

2018年3月の第3世代MINIのマイナーチェンジの際には、車両サイズをより大きくし、エンジン排気量も1.2リットルから1.5リットルへと変更しましたが、すべて5ナンバー車の基準値内。ただ全幅だけが、前述のように1.7m(1,700mm)を少しオーバーしたために3ナンバー化となりました。しかしその結果、室内空間が広くなり、リアの積載スペースも大きくなって、より使い勝手がよくなったのは周知の事実です。

画像出典 BMW Japan THE NEW MINI3door

 

自動車の税金は、総排気量と重さで変わる

先ほどの話では、エンジンの排気量で税率が変わると書きましたが、もうひとつ税率が変わるものがあります。それは「自動車重量税」。クルマの税金には、毎年4月1日の時点で所有者に課税される「自動車税」と、購入や車検の際に支払う「重量税」の2つがあります。

自動車税は、排気量に応じて税額が変わり、重量税はそのクルマの重さに応じて税額が変わるもの。つまり2つの税金とも、「5」や「3」ナンバーの区分けではなく、あくまで所有する自動車の「排気量」と「重さ」によって増減し、ナンバー枠で課税額が変わることはありません。かつては車格を表していた「5」と「3」の数字。今では、ユーザーにとって実質的な違いはないということですね。

結論として、3ナンバー化MINIの税金は安泰

まとめると、こと税金に関しては3ナンバー車だから高い、5ナンバー車だから安いということはなく、ユーザーの負担が3ナンバー化で重くなるようなことはありません。今となっては「3」と「5」に分ける意味すら希薄です。これを覚えるだけで、ナンバー枠の違いは、かなりスッキリと理解できたと思います。ということで、結論として…

❶ 自動車税は変わりません。
❷ 自動車重量税も変わりません。
❸ 自動車取得税も変わりません。
❹ 自賠責保険料も変わりません。
❺ 高速道路の通行料金も変わりません。

以上のように、ナンバー枠の種類では、税金には直接関係がありません。これまでのイメージから、何となく5ナンバー車より3ナンバー車の方が高級で上質なイメージは残ります。しかし維持費の面でもナンバー枠の違いによる差はないので、ナンバーの数字にとらわれず、好きなMINIに乗ってみませんか?
あっ、さすがに「MINIクロスオーバー」は思った以上にデカイです。サイズも実用性も質感も、大幅アップ!! なにせ、過去最大級のMINIと言われるぐらいですから(笑)…。

画像出典 BMW Japan  THE NEW MINI CROSSOVER

 

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