皆さんはBMWにどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「社会的ステータスを表す」
「運転の楽しさがクルマに表現されている」
「歴史を紐解くとクルマだけでなく、バイク・航空機エンジンなどにも携わっている総合的メーカー」
BMWは多くの人の憧れであり、オーナーの欲求を満たす“唯一無二の存在”であるということがお分かりいただけると思います。今回は「BMWとスポーツとの繋がり」について解説していきます。短絡的に結論を導き出すと、「クルマのメーカー=F1・ラリーレース」と考えがちですが、BMWは、その他にも多くのスポーツと繋がりを持っています。スポーツ観戦時にも“BMW”の文字が刻印されたユニフォームや、スタジアムでの広告、世界大会でのパートナーなどの場面で目にすることも多いかと思います。日本国内でも、“東京マラソン”のオフィシャルパートナーや、その他のスポーツシーンにも深く関わりを持っています。そこで、この記事ではより具体的にBMWとスポーツの関係性や歴史について解説していきます。
「BMW」と「スポーツ」に親和性はあるのか?
BMWのクルマづくりの理念として、「美しさ・速さ・緻密さ・正確さを磨き上げ、究極のパフォーマンスを発揮する」というコンセプトを持ち、その姿がアスリートや、スポーツ自体と共鳴していることから、多くのスポーツでスポンサー又は協賛を行なっています。「最高峰に挑み続けるアスリート」と、「ダイナミズムとラグジュアリー、テクノロジーを高次元で融合するBMW」の求める姿が共通してることが、BMWとスポーツの関係性を物語っています。以降で記述をしていきますが、冒頭で説明した通り自動車メーカーであると言っても、F1やラリー、ル・マンなどのレースだけでなく、「そのスポーツに!?」と言ったものにも関係性を持っています。
どんなスポーツと関係を持つのか?
ここでは具体的にどんなスポーツと繋がり、関係性を持つのか解説していきます。モータースポーツに限らず、多くのスポーツと深い繋がりを持つBMW独自の戦略と価値観が随所に表れています。
F1
最も分かりやすいスポーツとの関係性として、モータースポーツ「F1」を真っ先に挙げさせて頂きます。BMWとF1の歴史は、第二次世界大戦後まで遡ります。技術的蓄積も兼ねて、他のメーカーと協働してF2(1カテゴリー・F1直下に位置)に参加していた背景があります。その後も、時代が移り変わる中で、自社のエンジンを「ブラバム」、「マクラーレン」、「ウィリアムズ」などと協働する形でF1に参加し続け、数々の輝かしい功績を残しています。
最もBMWがF1のシーンで名を残したのがザウバーの買収を伴い実現した、2006〜2009年の「BMWザウバーF1チーム」になります。数年で撤退してしまうものの、高評価を得ることに成功しています。
トライアスロン
トライアスロンはスイム・バイク・ランニングの3競技を行う過酷とも言えるスポーツですが、この競技はエリート(オリンピックを目指すトップアスリート)と、エイジ(男女を年代別に表彰)にカテゴリーが分けられてレースが行われています。BMWは特に“エイジ”の参加者支援のためのスポンサーに入っています。全てのBMW車は、「よりクリーンに。よりパワーを」の設計思想に基づき、環境に配慮しながら「駆け抜ける歓び」を実現しています。この戦略は非常に興味深いものです。通常であればスポーツ界の中でもトップに位置する競技やアスリートを支援することで、自社のイメージアップを図る戦略が一般的ですが、BMWは一線を画します。BMWの効率的でスポーティーなクルマづくりを目指す「エフィシェント・ダイナミクス」と、トライアスロンと仕事を両立を図るエイジカテゴリーの「ビジネスに邁進しつつ、一方でトライアスロンの競技力の向上を図るイメージ」が合致していることから、BMWとトライアスロンのコラボレーションが生まれました。
ゴルフ
ニュージーランド最大のゴルフトーナメントにも、「BMWニュージーランドオープン」としてBMWの冠がついています。この大会は、1907年開始と歴史のある大会で、国内外のプロ・アマ方式で競い合うユニークな大会としても知られています。BMWの新プロジェクトの一環として、アマチュア、プロゴルファー向けのサポートも行っています。
陸上種目
陸上種目とかなり広義となっていますが、「〇〇投げ」と言われる種目にもBMWは深く携わっています。砲丸投げや槍投げ、円盤投げなどの際に、選手が投擲(とうてき)したものをスローリングエリア付近まで持っていくラジコンが存在します。これをBMWが設立したブランド「MINI」が担っています。よく中継映像を見ていると、小さなラジコンがフィールドを走り回っている光景を見たことがあるかと思います。これもオリンピックに合わせて、専用開発されたものとなります。細部にわたるものですが、ここにもBMWの存在感が発揮されています。
クレー射撃
ヨーロッパで人気を誇るクレー射撃ですが、日本ではあまり馴染みのないスポーツかと思います。BMWでは、日本における競技文化の発展と向上のため、全国の様々な公式大会へのサポート、ランキングトップ獲得者にはクルマを1年間貸与などの協賛を行なっています。
マラソン
冒頭で東京マラソンのオフィシャルパートナーであることを触れましたが、ここではその他のマラソンのパートナーの部分を説明していきます。
ニュースで耳にすることのある「ベルリンマラソン」ですが、大会の正式名称は「BMWベルリンマラソン」とBMWが冠スポンサーになっています。世界一の高速コースとして知られており、「世界6大メジャーレース(正式名称:アボット・ワールドマラソンメジャーズ)」としても注目を浴びています(他の5つは、東京・ボストン・ロンドン・シカゴ・ニューヨークシティー)。マラソンにパートナーシップを見出す理由としては、ランナー達の「五感を研ぎ澄ませながら走る楽しさ」と、BMWのコンセプトにもなっている「優れた環境性能と力強いパフォーマンスにより意のままに操り、クルマを走らせる歓び」が共通していることから協賛が実現しています。
また過去には、ロンドンオリンピック日本代表の藤原新選手に対して、協賛に加え、練習随行用の車両と、練習用自転車を1台ずつ提供を行なっています。
ボブスレー
冬のスポーツでもあるボブスレーにもBMWは深い関わりを持っています。「氷上のF1」とも言われるボブスレーは、自動車メーカーの威信がかかっており、各国車と同様のハイテクさを集積させたソリを提供しています。日本では馴染みのないスポーツかもしれませんが、冬季オリンピック種目にもボブスレーは含まれています。そして、現在の競技向けボブスレー用のソリには、最先端のカーボン素材や、風洞実験設備、空気力学の観点から、各国様々な研究開発が進んでいます。その中でもBMWは、ドイツとアメリカのナショナルチームにソリを提供しています。(フェラーリはイタリア、マクラーレンはイギリス)
馬術
馬を操り、駆けるスポーツでもある馬術と、ドライバーの意のままに操れる操作性を誇るBMW車は通じるものがあるとの点から、馬場競技力の向上、馬文化の発展に向けたサポートを各大会の協賛を通じて行なっています。
まとめ
今回多くのスポーツ(競技)に触れて、BMWとの関係性について解説してきました。モータースポーツに関わっていることは当たり前ですが、いっけん自動車メーカーとは関わりのないスポーツにもスポンサーやパートナーシップ、競技の向上に向けたサポートを実施していることがお分かりいただけたかと思います。またクルマづくりで培った技術を他ジャンルの分野にもいかんなく発揮している点が、BMWが「一流のブランド」と言われる所以かもしれません。