新しくなる「MINI クロスオーバー PHEV」走り味は変わったか?

BMW傘下になって以降、普通自動車の規格に準じるようにボディサイズも大型化したMINI。BMWがこれまで築き上げてきた剛性面や安全面に関わる技術を惜しみなく注ぎ込むことによって、旧来のクラシックMINIが持っていた小型サイズというアイデンティティから、誰しもが安全で楽しめるクルマというアイデンティティを獲得することでMINIの歴史における新たな局面をつくり出すことに成功しました。

そして、ラインナップされているモデルの中でもひと際強い存在感を放つのが「MINI クロスオーバー」です。他のモデルと比較してもボディサイズが大きく本格的な走破性を備えたクルマとして、街乗りだけでなくアウトドアフィールドでも使いたいという多様なニーズを満たしてくれることから、MINIの中でも多くのユーザーに支持されているモデルです。

その「MINI クロスオーバー」に2017年加わったのが「MINI クーパーS EクロスオーバーALL4」という、MINI史上初のPHEV仕様のモデルです。ガソリンエンジンと電気モーター両方の推進力を使い分けることができるPHEV仕様のMINIは、環境性能に配慮するBMW肝いりの一台として多くの注目を集めました。

そして、2020年5月27日にフロントデザインや性能を改良した、新型の「MINI クロスオーバー」(ヨーロッパ名は「MINI カントリーマン」)がヨーロッパで発表されました。

外観だけでなくインテリアまで改良


進化したMINI クロスオーバーの走り

新しく改良された「MINI クロスオーバー」は外観とインテリアの両方に大きく手を入れた仕様と発表され、フロント部分の変化は少し見ただけでもその違いが分かるようになっています。例えば、現行モデルのバンパーカバーはボディカラーと異なる色で設定されており、より立体感のある力強い造形を演出していました。一方で、発表された新型「MINI クロスオーバー」ではボディカラーと統一した色を設定することで、従来よりも一体感のあるスマートな印象へと生まれ変わりました。

また、何といっても大きく変更されるのがフロントグリル部分のデザインで、新しいラジエーターグリルは六角形の形をモチーフに一体型のクローム・フレームで覆われています。従来と同じく「クーパーS クロスオーバー」や「クーパーSD クロスオーバー」といったモデルには赤色の「S」と刻まれた文字と共にクローム・フレームのストラット(水平に取りつけられた支柱のこと)が、それ以外のモデルでは「S」の刻み文字がない代わりにストラットが3本も施されています。

これらのフロントグリルの変更に伴って、LEDヘッドライトも標準装備となりました。標準装備となったLEDヘッドライトは非対称の丸形という変わった形になっており、この独自の設計が光を増幅させるような役割を担っています。このヘッドライトは、デイランニングライト機能はもちろんターンインジケーター(方向指示器)の機能も兼ね備えています。

ヘッドライトと同時に確認しておきたいのが、フォグライトとテールライト部分。フォグライトも標準でLED仕様になっており、駐車時にはパーキングライト(停車時に使用する照明機能)としても使用可能です。テールライトもLEDを標準装備とし、特徴的なユニオンジャックのモチーフも健在です。

ただし、“バリアブル・ライト・ディストリビューション”(走行速度に応じてヘッドライトの照射範囲や距離を調整し、最適な視界を確保する機能)と“ハイビーム用マトリックス機能付きアダプティブLEDヘッドライト”(ハイビーム使用時にも照射範囲や距離を調整することが可能になり、対向車が来た場合は自動的に対向車側のハイビームだけオフにするなどの機能)がオプション装備となっている点は、日本仕様でも同じようになることが予想されます。

一方でインテリアの変更点では、全モデルにスポーツレザー仕様のステアリングホイールを標準装備とした点が大きいでしょう。他にも、家族で交代しながら運転するときに便利な“運転席メモリー機能”や5インチサイズのデジタルタコメーターも新たに設定されています。

新型ではPHEV仕様車の性能も改良


新型クロスオーバー PHEV(MINIクーパーS Eクロスオーバー ALL4)のティザー映像

従来と同じく「MINIクーパーS Eクロスオーバー ALL4」という名称で販売が決定している新型のクロスオーバーPHEVモデルですが、基本的なエンジンスペックは1.5L直列3気筒ガソリンターボの6速ステップトロニックトランスミッション(マニュアルモードがついたオートマチックのこと)、モーター部分は最大出力88PSですが全体出力で224 PSを達成しています。新型モデルでは0-100km/h加速で6.8秒、最高速度196km/hをマークしているということで、現行モデルとそん色がないため日本仕様として新型が発売される際にはこれ以上の出力をマークすることが期待されています。

また、注目すべきは蓄電容量が10kWhとなった最新世代の高電圧リチウムイオンバッテリーを搭載しているため、現行モデルの7.6kWhと比べると大幅に性能が向上していることが分かります。これにより、EVモードでは最大61kmをゼロエミッション走行(二酸化炭素を排出しないで走行すること)が可能であり、CO2排出量は40g/kmという最新の環境性能も達成しています。他にも、最新の「eDrive」技術(BMWグループのPHEV技術の総称)を導入していることから、現行モデルよりも動力の伝達性能が向上していると発表されています。

肝心の走り味はどうなのか?


現行モデルの公式試乗レポート

新型モデルが販売される前ではありますが、やはり気になるのは走り味。とくに、現行モデルと比較したときに進化していれば嬉しいポイント等々をカタログスペックから予想してみたいと思います。

まず、現行モデルは4輪駆動を実現するために前輪をエンジンで、後輪をモーターで駆動させています。これは新型モデルでも変更はないため、従来と同様の走り味が期待されます。他メーカーのPHEVモデルと比較してもスムーズな加速が特徴的で、1.5Lという大容量のエンジン+モーターを載せているとは思えない走りをみせてくれます。

また、EV走行とガソリンを併用して走行するなど走行時のモードを切り替えることができるのもPHEVのメリットですが、EVのみの走行は一般的に味気がないと言われることが多いです。とくに、ガソリン車にあるような推進力が感じられないため、走っていても面白くないという走り味のなさへとつながってしまいます。

一方で現行モデルは、EV走行でも前へ進む力を感じられるほどの推進力があり、高速走行時には車体が安定した見事な走りを実現しています。ただし、エンジンと併用して走行した際にはEV走行時と比べて安定性が落ちるため、新型モデルではエンジンとモーターという異なる動力を同時に使用したときの安定した性能向上が期待されます。

最新「eDrive」技術によって性能向上が期待される
画像引用:https://www.bmw.co.jp

とくに、新しい「eDrive」技術を導入することが決まっているため、強化されたパワートレイン部分とモーター部分のつながりが良くなれば現行モデル以上の走り味が実現され、他メーカーでは追いつけない独自の“EV4輪駆動モデル”として新たな地位を確立することができるでしょう。

また、最新の高電圧リチウムイオンバッテリーを搭載することで重量面での心配をする方もいるかもしれませんが、容量的には大きくなっても重量的には走りに多大な影響を及ぼす程の変化がないため、現行モデルのような安定した走りを実現してくれる前後重量配分はキープされます。よって、新型モデルでは出力と走行時の安定性の強化に大きな改良があるため、走り味の向上も大いに期待することができるモデルといえます。

ぜひ、MINIファンの皆さんも新型「MINI クーパーS EクロスオーバーALL4」の続報を待ちながら日本での販売を楽しMINIしていましょう。

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