これが未来のBMW?先進技術とデザイン性の「BMW Vision iNEXT」

BMWが2021年以降の新しいコンセプトカーである「BMW Vision iNEXT」を発表しました。ミュンヘン、ニューヨーク、サンフランシスコ、北京という世界4カ所で行われたBMW Vision iNEXT
ワールドフライトで今後のBMWのビジョンが世界に向けて発表されました。

2018年9月に、ロサンゼルスにあるサンフランシスコ国際空港に停められた、ルフトハンザカーゴの最新機材「777 Freighter Hallo Germany」の機内で、メディア、ジャーナリストに向けて公開されました。

世界のトレンドを押さえたBMW

インターネットとの接続を常に可能にしたコネクテッド機能、自動運転機能、電気を使ってエンジンを動かす電動化、この3つの要素が今後の自動車の将来のカギを握っているというのが、世界的な自動車業界のトレンドです。

この3つの要素を総称した呼称が、「ACES(Autonomous, Connected, Electrified and Services)」と定義されているのですが、BMWではこの考え方に「Design」をつけ加えて、「D-ACES」と定義していて、デザイン性の重視も必要であるという見方も示しているのです。

今回発表された「BMW Vision iNEXT」にも搭載されている技術は、2021年生産開始予定の「iNEXT」に採用された後、BMW車に広範囲に採用されていくことになります。

重視された「デザイン性」

画像引用:https://www.bmw.co.jp

先ほども触れたように、BMWはデザイン性を持って表現するという姿勢を強く感じることができるデザインに変化を遂げてきました。

キドニーグリルが連結した?

BMWといえば、ほぼ全ての車のフロントにBMWのエンブレムと、「豚の鼻」とも揶揄されているキドニーグリルを搭載しています。

今回発表された「BMW Vision iNEXT」では、そのキドニーグリルの左右が連結されて、本来の原型から大きく乖離するデザインとなっていました。フロントグリルは通常どこの車にも搭載されているもので、走行中フロントに当たる外気を取り入れるために作られています。フロントのグリルは正面から見たときに一番目立つ部分であるため、車自体を印象づける顔とも言える部分であります。以前からクルマファンの間では、「豚の鼻みたい」と揶揄されることが多かったのですが、今回は遂に豚の鼻みたいではなくなったと話題を呼びました。なぜこのデザインになったのかというと、今までは「エンジン冷却」のためにこの形になっていましたが、今回はADAS用のセンサー類を埋め込むための土台である、中央の支柱が邪魔になったことからキドニーグリルではなくなったと言われています。

高級感のあるインテリアデザイン

また車内のインテリアデザインについてもこだわりを見せています。家具デザインから着想を得たもので、ファブリックや木を多用し、まるで高級家具のようなオープン・デザインのインテリアと完璧に調和しています。通常、ナビなどのディスプレイが埋め込まれている中央のコンソール部分については、コーヒーテーブルのような暖かみのある素材を使用していて、木目の整った木材に、ディスプレイのみが1つ設置されていて、ラウンジのような高級感のあるセンターコンソールになっています。

進化を遂げた最新の技術力を搭載

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BMWがデザインに力を入れているからといって、技術力がおろそかになっているわけではありません。自動化、電動化、コネクテッドなどの今後のクルマに求められている技術力の面でも、BMW Vision iNEXTは大きく進化しているモデルであるとも言えます。

Shy Tech

「D-ACES(Design, Autonomous, Connected, Electrified and Services)」の中でも、デザインと電動化を融合させた近未来らしいデザインを表している技術の1つとして取り入れられているのが、「Shy Tech(シャイ・テク)」という考え方です。シャイ・テクとは、「普段は見えないものの、必要なときやドライバーや同乗者が希望するときのみ姿を現す技術」のことを指していて、今回の「BMW Vision iNEXT」に新しく取り入れられた先進技術です。

BMW Vision iNEXTに搭載されている機能を利用すると、ジェスチャーや音声で指示を出すこともできます。また、操作には通常様々なボタンが付いていて、そのボタンを押したり、レバーを使ってギアをいじったりすることで、クルマに指示を出していました。

BMW Vision iNEXTには、こういった「ボタン」や「レバー」などは全く搭載されておらず、ファブリックやウッドでマテリアル面から操作することができるようになっています。ドライバーが必要と感じたときに目に見えますが、それ以外は隠されている、まさにシャイ(Shy)なテクノロジー(Technology)で実現しているのです。

ブーストモードとイーズモード

「D-ACES(Design, Autonomous, Connected, Electrified and Services)」の中でも、自動化(Autonomous)は近年著しく研究が進んでいて、技術の革新が起きている分野です。トヨタやホンダ、日産など日本の自動車メーカーを始め、アウディやメルセデスベンツなどのヨーロッパの自動車メーカーも実験をし始めていて、新興メーカーであるテスラでは部分的に自動運転技術を搭載したクルマがすでに販売されています。

当然BMW Vision iNEXTにも、最新の自動運転テクノロジーを搭載していて、ドライバーは、自分で運転する「ブーストモード」、または運転を車両に任せる完全自動運転の「イーズモード」のどちらかを選択することが可能です。

ブーストモードでは電動パワートレインを利用した100%電動かつ、排出排気ガス0の非常にダイナミックかつ、静かなドライブをすることが可能です。一方で、新技術イーズモードでは、ドライバーは何もする必要がないため、車内はリラクゼーションやインタラクション、エンターテイメントのスペースになり得るのです。

また、ブーストモードとイーズモードでは、センターコンソールに設置されているディスプレイや、ハンドルの位置が大きく変化します。ブーストモードの時は、ハンドルとディスプレイがドライバー向けの配置になり、イーズモードの時は、ハンドルが少し後退して、オープンな空間となります。

ディスプレイパネルには、ブーストモードの時は、現行のディスプレイ通りナビモードにして使えるように表示されますが、イーズモードの場合は、運転関連のコンテンツから、ドライバーが興味のある場所やイベントに関する情報を表示するモードに切り替わります。

BMW Vision iNEXTは未来のBMWへの布石

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これまでBMWでは、何よりもドライバーズカーであることを重視してきました。しかし、今回技術的に進化を遂げた部分にフォーカスして見直してみると、専ら前提が自動運転に置かれていることが分かります。

一見すると従来の、BMWのクルマ作りからは、真逆と言っていい空間設計となっているため、これを見たファンの中には、「BMWは軸がブレた」と思う人がいるかもしれません。しかし、「ユーザーのため」を思ってクルマを作るという面では、変化していません。よりユーザーの目線に合わせて、新しい技術を採用していった末にこういった高い操作性を誇るユーザビリティに進化することができたのです。

これが、2021年以降のBMWのモデルカーであると言われるとあまりピンと来ない人もいるかもしれません。しかし、BMWがサブブランドであるBMW iを立ち上げて、eモビリティの世界にブランドとして打って出てから、i3やi8といったコンセプトカーを発売するに至るまで、電動化の技術が進むとは想像できていなかったはずです。この技術革新のスピード感を考慮した上で、未来のBMWを考えると、今回のBMW Vision iNEXTが2021年以降のBMWのモデルになるとしても不思議ではないでしょう。

今後ますます、新たな技術が求められていく中で、どのようにBMWが進化していくかというビジョンが現れたBMW Vision iNEXTの発表でした。これからこのビジョンがどう変化していくのか、その動向を見届けていきたいですね。

 

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